東京都教育庁は2018年度、特別支援学校の整備に向けた取り組みとして「戸山地区学園」「江東」「清瀬」「中野」の4校の基本計画作成作業を開始する。戸山地区学園は新校の設置、江東など3校は既存施設の改築を視野に入れ、現況調査を行って施設整備の方向を固め、設計委託の条件を整える。
戸山地区学園特支は、知的障害教育部門の小学部・中学部・高等部と、肢体不自由教育部門の高等部で構成する。当初、市ケ谷商業高校(新宿区矢来町)の跡地を活用して新設する予定だったが、その方針を変更し、都立心身障害者福祉センター(新宿区戸山3ノ17ノ2、敷地面積9760平方b)の跡地に新設する。これまでの検討では、建物の規模として延べ床面積約2万4000平方bが必要と見ており、18年度に着手する基本計画作成作業の中で、敷地の現況や法規制などを踏まえて、大まかな施設の配置や規模、施工手順などを固める。
建設地には都職員共済組合の戸山庁舎と合築している建物が現存しているため、18〜19年度に解体する計画。解体工事と並行して新築する特支の設計を進めていく。26年度に開校する予定。
江東特支(江東区東陽4ノ11ノ45、敷地面積1万2114平方b)は、知的障害教育部門の高等部(普通科)で、18年度に職能開発科を設置する予定。1978年に完成したA棟(鉄筋コンクリート造3階建て)とB棟(同造2階建て)の2棟(延べ床面積8097平方b)と、02年に新築したC棟(同造2階建て延べ2001平方b)の計3棟の校舎がある。A棟とB棟は老朽化が進行しているため、2棟の改築を視野に施設整備の内容を検討する。
知的障害教育部門の小学部・中学部・高等部で構成する清瀬特支(清瀬市松山3ノ1ノ97、敷地面積1万9499平方b)には、80年完成のA〜D棟(A・B・C棟が鉄筋コンクリート3階建て、D棟が2階建て、延べ床面積9837平方b)と、07年完成のE棟(同造2階建て延べ1948平方b)がある。こちらも老朽化している4棟の建て替えを想定しつつ、最適な事業内容や施設配置などの検討を進める。
中野特支(中野区南台3ノ46ノ20、敷地面積9721平方b)は、知的障害教育部門の小学部・中学部・高等部で構成。79年に完成した校舎棟(鉄筋コンクリート造3階建て延べ9480平方b)の他、80年完成のプール更衣室(鉄骨造、107平方b)、88年整備の校舎増築棟(鉄骨造、476平方b)、06年完成の特別教室棟(鉄骨造、478平方b)などを配置している。限られた敷地面積の中で、老朽化した既存施設の最適な再整備手法を検討し、事業内容を方向付ける。
提供:建通新聞社