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日本工業経済新聞社(茨城)
2018/02/05

【茨城】桜川市が大和庁舎周辺に方針固める/新庁舎の建設候補地

 桜川市の新庁舎建設検討委員会(委員長・吉田勉常磐大学准教授)は1日、新庁舎の候補地を現在の大和庁舎を中心とする周辺市有地内で検討していく方針を固めた。吉田委員長は、岩瀬、大和、真壁の各地区から委員がいるとした上で、地理的に市の中心地となったことに「合理的な考えでまとまった」と話した。また、庁舎機能のコンセプト案の方向性として@安全・安心な庁舎A市民サービスの向上を目指した庁舎Bシンプルで機能性と経済性に優れた庁舎―を取りまとめた。

 庁舎位置の候補地には、岩瀬庁舎敷地(A9885・96u)、大和庁舎敷地(A1万5671・44u)、真壁庁舎敷地(A1万2748・78u)、開発が進むJR大和駅北地区の4カ所が挙げられており、また、各庁舎周辺の市有地についても候補としていた。
 検討委員会で委員からは「利便性が高いところを」「防災面を考えると、河川から遠く、地盤が固いと良いのではないか」などの意見が出され、市の中心に位置する地理的条件などから、大和庁舎の敷地を含む周辺の市有地を候補地として選んだ。
 大和庁舎は、市街化区域で、県道343号木崎雨引線沿いの高台に立地。防災拠点機能としては、大和体育館、大和中央公民館、大和運動場、桜川消防署大和分署などの施設が集まっており、周辺河川からも離れている。
 同市の庁舎は、現在の大和、岩瀬、真壁の各庁舎で老朽化の進行、耐震性能の不足、防災拠点機能の不足、分庁舎方式による庁舎機能の分散といった問題が起きている。耐震対策、防災拠点の整備、行政運営の合理化などを図るため、新庁舎建設を検討している。
 1日には第3回検討委員会を開催。冒頭、吉田委員長は「今回は、いよいよ場所や機能を話し合う。積極的な意見をいただければ」と期待を寄せた。
 庁舎機能では、第2回で各委員から出たコンセプト案を取りまとめた。コンセプト案の方向性としては、市民の安全・安心を守るため、災害時における災害対策本部機能を整備し、防災拠点としての機能を確保する。
 また、分散している機能の集約により効率的な市民サービスを提供し、ユニバーサルデザインの導入とフロア配置の工夫により利便性の高い庁舎を構築する。
 議題に上がっていたコスト面については、機能性と経済性を重視するとともに、無駄を省いたシンプルなものとした上で、自然エネルギーの活用と省エネルギー性の高い設備導入による環境負荷の低減などを検討していく。
 委員会は今後、3月に第4回を開催し、中間報告書をまとめる。2018年度には市長へ答申したい考え。合併特例債の期限である25年度までの完成を目指していく。