愛媛県建設業協会(米谷方利会長)は1月26日、県庁を訪ね社会資本整備予算の確保、発注の平準化推進などを要望した。さらに、地域の安全・安心を守るために必要となる人員、機材を地域の建設企業が継続して維持できるよう、必要とされる事業量の確保と地域間の発注量の格差是正を中村時広知事に求めた。
協会から西岡義則顧問会長、米谷方利会長ら正副会長、事務局幹部が県庁を訪ね、米谷会長が中村知事へ要望書を手渡した。
社会資本整備予算の確保では、2018年度以降の予算の安定的かつ継続的な確保を要望。また、国の17年度補正予算に伴う事業の早期執行、18年度社会資本整備関連予算の増額への後押しを求めた。協会によると、中村知事からは補正予算に伴う事業について防災・減災対策などを早期に対応していきたいとの回答があった。発注の平準化推進ではゼロ県債の拡充を要望。建設業再生に向け、事業量の確保と地域間で生じている格差の是正を求めた。
若年建設従事者の確保・育成については、企業が受注工事で適正利潤を確保でき、経営を安定化させることが必要不可欠であることから、適正価格による受注競争を確保できるよう入札・契約制度の継続実施を要望した。
具体的には、▽実勢価格・適正積算▽一般管理費率や現場管理費率アップなどによる予定価格の設定▽低入札価格調査基準価格と最低制限価格のさらなる引き上げ▽適正な休日確保を可能とする工期設定および積算―など。中村知事からは週休2日の実施を可能とするような工期設定と積算について、まずはモデル事業として取り組んでみたいとの回答があった。
公共事業予算は下げ止まり傾向にあるものの、地域の建設業は事業量の安定確保、地域間格差の拡大に苦慮しているのが現状。このままでは、県と支援協定を結んでいる大規模災害や家畜伝染病発生時に十分な対応ができない可能性も懸念されている。
提供:建通新聞社