社会資本整備審議会道路分科会の四国地方小委員会が1月24日、高松市のサンポート合同庁舎で開かれ、四国8の字ネットワークを構成する3路線の計画段階評価について、対応方針や地域との意見聴取方法などを審議した。このうち、阿南安芸自動車道の野根〜安倉(東洋町〜北川村)の整備の在り方については、
これまで設定されている「区間延長を極力短くした自動車専用道路のバイパス案」「現道改良案」に加え、新たに「区間延長を極力短くした一般道路のバイパス案」を設定した。
野根〜安倉については、2014年6月に開かれた小委員会後の意見聴取で「区間延長を極力短くした自動車専用道路のバイパス案」が対応方針案として妥当とされていた。しかし同年8月に発生した北川村小島地区の大規模地すべりを踏まえ、高知県が国道493号の落石と地すべりの危険箇所分布を調査、当該地域には複数の地すべり危険箇所や防災上危険な箇所があることが確認された。
県の算出によれば、国道493号現道の落石や地すべり対策といった防災対策費は野根〜安倉間で200億円が必要と判明。自動車専用道路のバイパスを整備すると125cc以下のバイクなど、自動車以外の交通は現道を通行することになり、全ての交通が安全に利用できるためには、両方の工事が必要で膨大な時間と費用が掛かる。
これを踏まえ同委員会では、区間延長を極力短くした一般道路のバイパス案を対応方針に新たに設定した。整備概要は、延長約9`、時速60`の2車線道路で、約400億〜450億円(ただし現国道の防災対策に約10億円必要)のコストを見込む。
以前から示されている区間延長を極力短くした自動車専用道路のバイパス案は、延長約9`、時速80`の2車線道路で、コストは約550億〜600億円、また現国道の防災対策に約200億円が必要とし、現道改良案は、延長約15`、時速40`の2車線で、コストは防災対策費用を含み約400億〜450億円を想定する。
今後は、関係自治体へのヒアリングや、東洋町、北川村の住民を対象にアンケートや意見交換会を行う。
また同委員会では、同じく計画段階評価実施中の四国横断自動車道宿毛〜内海、阿南安芸自動車道奈半利〜安芸の2区間についても、複数のルート帯案と、それぞれの延長、コストを示した。両路線とも「市街地(集落)の極力近くを通るルートで、可能な範囲で土工の構造を採用した新たな自動車専用道路」「区間延長を極力短くしたルートで、トンネル構造などを採用した新たな自動車専用道路」「現国道の急カーブ・道路幅などの改良」の3案が設定された。
提供:建通新聞社