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建通新聞社(東京)
2018/02/02

【東京】都 東京防災プラン骨子まとめ

 東京都総務局は2018〜20年度の3カ年を計画期間とする「セーフシティ東京防災プラン」の骨子をまとめた。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を見据え、地震や風水害などへの防災対策をスピード感を持って進めることを目的とし、区部・多摩地域での地震に備えた建物の耐震化・更新や、都内各地の風水害に対応するための浸水・土砂災害対策の充実・強化など「自助・公助」と「公助」の具体的な取り組みを明記した。都民意見の反映手続きを経て行政計画として確定する。
 区部・多摩地域の地震対策では、まず建物の耐震化・更新を掲げた。自助・共助の取り組みとして、耐震診断による耐震性の把握と必要に応じた耐震化工事の実施、ガラス飛散防止シートの設置など自宅・職場の安全対策を進めるよう求める。共助の取り組みでは、防災上重要な公共建築物の耐震化を20年度までにほぼ完了させ、公立小中学校の非構造部材の落下防止対策を完了させる。住宅の耐震化に積極的な区市町村に対し、耐震診断・改修への助成を新たに開始する他、マンションの耐震化や建て替えに向けた財政支援や技術支援を実施する。
 出火・延焼を抑制するため、耐火構造住宅への建て替え、感電ブレーカーや漏電遮断器などの設置を促す。都は区市町村と連携し、防火井戸や深井戸などの整備を進めるとともに、特定整備路線28区間・延長約25`や公園・緑地の整備を進める。
 安全・迅速に避難できるよう、無電柱化や山間部の斜面対策、液状化によるマンホールの浮上抑制対策、街路樹の倒木防止などにも取り組む。
 地震発生後の円滑な避難所の開設・運営につなげるため、避難場所となる学校や社会福祉施設の耐震化を推進し、給水管や下水道管の耐震化を実施する。
 公助による救出救助活動として、特定緊急輸送道路沿道建築物や橋梁の耐震化を進める他、ヘリコプター離着陸場の確保、水上ルートの確保・活用、東京港の耐震強化岸壁の整備などを行う。
 島しょ地域の地震・火山噴火対策では、最大クラスの津波から身を守れるよう、町村による津波避難タワーや津波避難階段、誘導標識の整備に対して都が財政支援を行うとともに、堤防のかさ上げなどの安全対策を22海岸で完了させる。火山噴火による土石流の発生に備え、火山砂防施設の整備や空港土木施設の耐震化も実施する。
 都内各地での風水害対策については、公助の取組として、時間雨量75_や50_に対応した下水道の整備や調節池の建設、鉄道の浸水対策、防潮堤や水門など河川・海岸保全施設の整備などを展開。区市町村と連携し、土砂災害の危険性が高い地域で砂防事業を進める。

提供:建通新聞社