神奈川県は、2018年度当初予算案に計上する予定の建設事業など(一部)を前倒し発注するため、ゼロ県債として74億4456万円を設定した。1997年度以来、21年連続の設定で、債務負担行為総額は過去最大の規模。内訳は、一般会計45億0095万円、特別会計2億5461万円、企業会計26億8899万円。国道129号(厚木市上依知)の舗装工など、合計937カ所の工事、測量・コンサルタント業務を17年度内に発注する。
県内中小企業への支援対策として、1月31日に知事専決処分により設定した。18年第1回県議会定例会に報告し、承認を得ることになる。
黒岩祐治知事は31日の会見で、「景気は緩やかに回復しているとされているが、中小企業は恩恵を受けていない」との見方を示した。その上で、「年度末の端境期に仕事量を確保し、年間事業量を平準化できる」と述べ、ゼロ県債設定の効果を強調した。
県は今後、建設業や塗装業、測量業など幅広い業種を対象としたゼロ県債事業を実施していく。
配慮業種別のゼロ県債設定の概要は次の通り。
■建設業(工事関係)=164カ所で合計52億1975万円
▽林道改良事業費他―5カ所で債務負担行為の設定限度額4385万円。事業は相模原市緑区鳥屋法面保全他
▽道路補修費他―53カ所で限度額16億0400万円。事業は国道129号(厚木市上依知)舗装工他
▽河川修繕費他―20カ所で限度額4億3400万円。事業は境川(横浜市戸塚区俣野町)河床掘削工他
▽高等学校施設整備工事費他―3カ所で限度額5億5100万円。事業は相原高校他
▽交通安全施設整備費他―23カ所で限度額1億3306万円。事業は道路標識(路側式)製作設置工事(多摩警察署管内)他
▽水道施設耐震化事業他―60カ所で限度額24億5383万円。事業は配水管改良51カ所、配水管布設1カ所他
■設計コンサルタント業=640カ所で合計9億3590万円
▽道路改良費他―10カ所で限度額1億4300万円。事業は県道603号(伊勢原市上粕屋〜西富岡)設計業務委託他
▽河川改修事業費他―16カ所で限度額8990万円。事業は不動川(大磯町生沢)設計業務委託他
▽通常砂防事業費―614カ所で限度額7億0300万円。事業は土砂災害警戒区域など指定基礎調査業務委託(箱根町)他
■塗装業=30カ所で合計2億7800万円
▽交通安全施設補修費―6カ所で限度額1億6600万円。事業は県道71号(二宮町中里〜中里2丁目)歩道橋塗装工他
▽交通安全施設整備費―24カ所で限度額1億1200万円。事業は道路標示塗装業務(都筑警察署管内)他
■電気設備業=44カ所で合計2億8827万円
▽交通安全施設整備費他―44カ所で限度額2億8827万円。事業は交通信号機改良等工事(荏田高校入口交差点)他
■測量業=23カ所で合計1億8664万円
▽水源林確保事業費他―4カ所で限度額1826万円。事業は水源協定林区域測量委託他
▽河川修繕費他―19カ所で限度額1億6838万円。事業は目久尻川(藤沢市宮原)測量業務委託他
■その他=36カ所で合計5億3598万円
▽水源林整備事業費他―31カ所で限度額4億3848万円。事業は森林整備他
▽街路樹整備費他―5カ所で限度額9750万円。事業は県道508号(厚木市上依知)植栽工他
提供:建通新聞社