名古屋市市民経済局は、中村区役所の移転改築について、デザインビルド方式での発注を検討している。予算が措置されれば、2018年度にも整備事業者の公募手続きに入る考えだ。
中村区役所の移転改築を巡っては、16年度にまとめた基本構想の中で、民間事業者の有効活用を提示。PFI方式を含め、民間事業者が設計・施工を担う方向性を打ち出していた。同局は現在、改築基本計画を策定するため、三菱UFJリサーチ&コンサルティング名古屋(名古屋市東区)に委託して進めている。委託業務を踏まえ、17年度内に事業スキームの設定や概算事業費の算出、階数・延べ床面積など大まかな施設のスペックを固めるとしている。
改築工事に際しては、設計・施工を一括で発注することで、コストの圧縮や工期の短縮、品質向上につなげたい考えだ。一部のエリアでは、民間事業者のアイデアを活用した施設の導入も検討する。
また、区役所の改築に合わせて、土木事務所・保健所と合築にする見通しだ。窓口や執務室、会議室といった通常の区役所機能に加え、合築になる施設を兼ね備えた形で整備する。
建設地は旧本陣小学校跡地(名古屋市中村区松原町1ノ23他)。このため地元からは、学校跡が従来担っていた避難施設や多目的広場、地域の交流拠点などとしての役割も新区役所に引き継ぐよう求める声が出ている。同局はこうした要望も踏まえながら基本計画の内容を詰めていく。
計画地の面積は1万0779平方b。容積率は200%となっている。
既存の中村区役所は建築から50年以上がたち、既存区役所としては市内で最古。老朽化やスペース不足もあり、改築することになった。規模は鉄骨鉄筋コンクリート造地下1階地上10階建てで、地下1階〜地上3階が庁舎、そこから上がUR則武住宅となっている。区役所部分の面積は6957・9平方。総延べ床面積は1万6502平方。
提供:建通新聞社