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建通新聞社(東京)
2018/01/31

【東京】都病院経営委 都立病院の在り方で報告書

 東京都の設置している都立病院経営委員会は、今後の都立病院の在り方に関する報告書をまとめた。急速な高齢化の進展による医療需要の変化や医療の高度化など環境の変化を踏まえ、行政的医療を安定的・効率的に提供しつつ地域医療の充実に貢献することが必要だと指摘するとともに、都立病院にふさわしい経営形態として、一般地方独立行政法人への移行を検討するよう求める内容。都は今後、この報告書を基に都立病院改革に向けた検討を進めていく考えだ。
 都が設置している病院は▽広尾病院(渋谷区、478床)▽大塚病院(豊島区、508床)▽駒込病院(文京区、815床)▽墨東病院(墨田区、765床)▽多摩総合医療センター(府中市、789床)▽神経病院(府中市、304床)▽小児総合医療センター(府中市、561床)▽松沢病院(世田谷区、898床)―の8病院で、総病床数は5118床。このうち広尾病院と神経病院は今後、改築することを計画している。
 報告書では、高齢化の進展によって治療が必要な患者が増加し、慢性疾患や複数の疾病への対応が求められている中で、今後の都立病院が担うべき医療の方向として@行政的医療の安定的・効率的提供A特性や専門性を生かした高水準な医療の提供B地域医療の充実への貢献―の3点を提示。都立病院が都の医療のセーフティーネットとして、行政的医療の中核的な役割を果たしていくためには、抜本的な経営基盤の強化策が必要だと指摘した。
 都立病院にふさわしい経営形態については、地方公営企業法を全部適用した都による運営、公営企業型一般地方独立行政法人、指定管理者の三つを比較検討。その結果、「病院の実情に合った適切・迅速な人員配置や人材確保、生産性向上や柔軟な働き方につながる人事給与制度の設定が可能」「予算単年度主義の概念がなく、事業運営の機動性や弾力性が向上し、多様な契約手法の設定が可能」などとして、一般地方独立行政法人への移行を検討すべきだと結論付けた。

提供:建通新聞社