京都府は29日、30年度当初予算案を発表した。4月の知事選を控え骨格型予算として編成するも、年度当初から講じる必要のある福祉施策、人手不足対策を中心とした中小企業施策、明治150年関連施策、台風災害からの復旧・復興等は当初予算に計上。一般会計は8519億7200万円(前年度比6・9%減)。普通建設事業費は731億6800万円(同7・4%減)、災害復旧事業費は29億1000万円(同134・7%増)。
特別会計は、収益事業が171億5259万3000円(同5・7%増)、地域開発事業が1億3656万8000円(同3・4%減)、公共用地先行取得事業が4億9964万8000円(同15・2%減)、流域下水道事業が137億2254万3000円(同3・8%減)、港湾事業が9億5674万2000円(同26・6%減)など。
公営企業会計は電気事業が6億0355万3000円(同36・2%減)、水道事業が110億3822万6000円(同12・9%減)、病院事業が26億7119万8000円(同2・1%減)、工業用水道事業が5億1595万7000円(同32・0%減)となっている。
一般会計に62億7000万円(第8号)及び47億3611万1000円(第9号)、流域下水道事業特別会計に23億円を追加する29年度2月補正予算案とともに、14ヵ月予算として編成した。
条例関係では、京都府住宅宿泊事業(民泊)の適切な実施の確保等に関する条例、京都府森林水源地域の保全等に関する条例、舞鶴港の工業港区に建設可能な構築物にバイオマス発電施設を追加する分区条例改正案などを提出。このほか、青少年海洋センター、勤労者福祉会館(城南、山城、口丹波、中丹、丹後)の指定管理者の指定案などを提出する。
予算案の部局別の主な建設関連事業は次の通り(▼は新規)。
【総務部】
▽ウトロ地区住環境改善事業費=1億3109万6000円
地区内幹線道路の整備、排水路等の整備、既存住宅の除却等
▽市町村未来づくり交付金=22億円
小規模市町村等の広域連携・公共施設マネジメントの推進等の取組支援他
▽「コミュニティ・コンビニ」整備事業費=1040万円
市町村の拠点整備(改修)支援400万円(1/2以内)、運営サポート640万円
▼府庁第3号館整備費=1200万円
耐震評価が低い第3号館を建替えによる整備を進める。解体工事に向け設計を実施する。第3号館はRC造4階建、延3738u(昭和33年竣工)。
【政策企画部】
▼文化庁京都移転準備費=1億1300万円
移転先の京都府警察本部本館の耐震改修等を実施する。耐震改修基本・実施設計、文化庁移転に関する情報発信
▼KYOTO−ingプロジェクト検討費=500万円
広域交通網整備にあわせて、学研地域をはじめ府内各地で検討が進められている公民連携プロジェクトについて機動的に対応するため必要となる調査・検討を実施(5プロジェクト程度)
【府民生活部】
▽原子力防災対策事業費(避難路整備事業)=2億6600万円
原子力災害発生時における重点避難路線等について地元市と一体となり整備を実施。避難時間短縮など避難路の効果的な整備に向けた調査
▽原子力防災対策事業費(要配慮者避難体制整備事業)=3500万円
屋内退避施設の放射線防護対策
【文化スポーツ部】
▽文化芸術施設整備費=1億1360万8000円
緊急度の高い施設や設備の充実・機能回復を実施
▽北山文化環境ゾーン未来づくり推進事業費=1億1790万円(債務負担2億円)
北山文化環境ゾーン広場・プロムナード整備費1億円(債務負担2億円)他
▽専用球技場整備費=53億7906万円(債務負担4億3000万円)
スタジアム工事等
▽アユモドキ生息環境保全対策費=1億6532万4000円(債務負担5700万円)
▽スポーツ拠点施設充実費=3億8365万円
丹波自然運動公園の車いす用練習コース整備、山城総合運動公園のアイススケート場整備、市町村立施設への補助
▽文化財を守り伝える京都府基金等活用事業=8500万円
国宝・重文等の修繕と合わせた有形文化財の保存・修理、寺社仏閣等歴史的建造物の耐震化や火災報知器の設置等、収蔵庫及び防犯設備等文化資料保存施設の整備等
▽医科大学附属病院手術室機能強化費=4億円
中央診療棟5階現手術室(12室)周辺に手術室2室を増室。2017〜2018年度で工事を実施し順次供用開始
▽医科大学附属病院精神科病棟整備事業費=4億1400万円
D病棟(D3病舎)精神科病棟を移設するための改修工事(個室増7→19室等)の実施2億9000万円、精神科病棟(北病棟)解体工事の実施1億2400万円
【環境部】
▽再生可能エネルギー倍増事業費=17億8100万円
自立型再生可能エネルギーシステム導入支援事業費1億8100万円(▽府内各地域の家電店・工務店員等を京都再エネコンシェルジュに認証し、家庭の再エネ設備導入を促進▽太陽光発電設備と蓄電池を同時に導入する場合、市町村と連携して助成▽再エネ設備及び効率的設備を導入する事業者への助成)、太陽光発電設備や省エネ設備等の設置に対する低利融資16億円
▽地域スマートエネルギーマネジメント推進事業費=1億0750万円
@京都舞鶴港エネルギークラスター事業費1億0550万円(バイオマス発電設備の再エネ発電設備整備に対する支援及びLNGインフラ整備やメタンハイドレート実用化の促進)A太鼓山風力発電リパワリング促進事業費(新規)100万円(風力発電事業の後継事業者への円滑な移行に向けた協議・調整等を実施)B地域エネルギーサービス事業体設立準備事業費100万円(地域の再エネ電源の拡大や安定的な経営のための課題整理等を行い、府中北部地域での事業体設立に向けた取組を推進)
▽丹後海と星の見える丘公園整備費=2000万円
公園内の海と星を展望できるお風呂に太陽熱給湯器と薪バイオマスボイラーを整備
▽京都水道グランドデザイン推進費=100万円
▽マイクロ呑龍1万基構想推進費=800万円
▽〈水道事業会計〉府営水道施設更新・耐震化事業費=23億7798万5000円(債務負担15億5000万円)
府営水道管路更新事業費15億9044万2000円(宇治系送水管路更新・耐震化工事)、府営水道浄水場施設更新等事業費7億8754万3000円(宇治浄水場ろ過池機械設備更新工事、木津浄水場薬品注入設備等更新工事、乙訓浄水場遠方監視制御装置更新工事ほか)
▽〈工業用水道事業会計〉工業用水道施設更新・耐震化事業費=1億0220万円
長田野工業団地及び綾部工業団地へ送水する工業用水道施設の更新・耐震化等(送水ポンプ設備更新工事ほか)
▽〈流域下水道事業特別会計〉流域下水道建設費=62億8646万6000円(債務負担85億円)
生活・交通基盤整備事業費(自然公園施設整備費等)1億2011万7000円、農林水産業基盤整備事業費(農業集落排水事業費)2637万3000円、下水道企画調査費等821万8000円、流域下水建設費61億3175万8000円(このうち、いろは呑龍トンネル南幹線35億0037万9000円)
【健康福祉部】
▽保健環境研究所整備費=21億1483万5000円(債務負担51億9800万円)
京都市伏見区村上町・周防町・西大手町の府保環研の敷地に府市協調で共同して整備
▼国民健康保険直営診療施設整備助成費=5208万8000円
京丹後市弥栄病院の改築工事(診療棟、病棟、給食棟)
▼地域共生社会実現サポート事業費=4億5800万円
多様な取組への支援を目的とした施設整備への助成など
▼児童発達支援センター設置促進事業費=300万円
センター認可基準を満たすために必要な設備(調理室等)整備への助成(府1/2、市町村1/2)
▽京都式農福連携補助金=5200万円
農福連携の基盤整備を行うハード整備等への助成(15事業所程度)
▽障害者施設整備助成費=2億0281万1000円
新たな施設の整備2ヵ所、スプリンクラー等消防設備の整備3ヵ所、防犯カメラなど施設の安全対策のための整備1ヵ所、施設の定員増を図るための整備2ヵ所、老朽化や地域ニーズに伴う整備1ヵ所
▽病児保育整備促進事業=1億1514万1000円
施設整備や運営費を支援
▼少子化対策総合戦略事業費(京都版コレクティブハウス開設事業費)=100万円
開設検討委員会の設置、府民向けワークショップ等の開催、不動産所有者向けセミナー等の開催
▼〈病院事業会計〉洛南病院建替整備関連事業費=2200万円
@敷地等の測量(病院敷地及び工事用進入路敷地の測量)600万円A工事用進入路詳細設計等800万円B収支シミュレーションの実施800万円
▼「民泊」届出業務への対応等=200万円
▽「民泊」実態把握・悪質業者の取締等=200万円
【商工労働観光部】
▼京都企業生産性向上拠点整備事業費=20億0400万円
京都経済センター(仮称)整備事業費19億6400万円、けいはんなロボット技術センター事業費4000万円
▼優良宿泊事業推進費=300万円
京都府優良住宅宿泊施設認証制度事業100万円、優良宿泊事業地域連携支援事業200万円
【農林水産部】
▼森林水源地域の保全等推進費=100万円
京都府森林水源地域保全審議会の設置等
▽卸売市場輸出拠点化事業費=17億5200万円
京都市中央卸売市場第一市場整備事業(支援)13億4300万円、京都市中央卸売市場第二市場整備事業(支援)3億9900万円(農林水産業基盤整備事業費)、同1000万円(京都牛輸出促進1億円事業費)
▼哺育・育成センター整備事業=4000万円
JA全農京都が実施する乳牛用哺育・育成センターの整備支援(補助率1/2)
▽府内完結型木材産業構築事業費=2億7780万円
CLT普及促進事業、林業・木材産業等振興施設整備事業費等
▽CLT普及促進事業費(拡充分)=100万円
CLTの設計等総合相談窓口の設置
▽保安林危険木重点事業費=3億6000万円
保安林危険木解消事業(新規。危険木対策の実施に向け、現地状況の把握のための危険度診断の実施)等
▽農林水産業基盤整備事業費=74億2958万7000円
生産性の高い(農地の整備国営亀岡中部地区、ほ場整備女布地区等)、効率的な間伐に必要な路網の整備、老朽化の進む施設の長寿命化に向けた整備(綾部用水地区(完了)等)、巨椋池排水路(完了)、福知山市豊富用水池地区等
【建設交通部】
▽生活・交通基盤整備事業費=164億2462万9000円
国道307号(奥山田バイパス)、国道312号(大宮峰山インター線)、宇治木屋線(犬打峠)、郷ノ口余部線(宇津根橋)、綾部宮島線(南丹市)、小倉西舞鶴線(舞鶴市)、東中央線(木津川市)、鴨川公園、山城総合運動公園、宇治公園、芥子谷団地(舞鶴市)の整備ほか
▽安心・安全基盤整備事業費=159億5392万2000円
鴨川(京都市)、四宮川(京都市)、弘法川・法川(福知山市)、桂川(亀岡市)、古川(城陽市)、福田川(京丹後市)、北川(京都市)の河川改修や土砂災害対策等の推進、洪水時特化型水位計の配置ほか
▽防災基盤整備事業費=90億9505万7000円
天井川対策の重点化、河川管理施設機能向上、避難所等の防災拠点の保全ほか
▽社会基盤長寿命化対策費=8億7988万6000円
橋りょう、舗装、砂防施設の予防補修
▽地域密着型社会資本整備事業費=64億0892万5000円
地域道路の1・5車線的整備、道路未改良区間の拡幅、河川の浚渫、護岸補修ほか
▽防災・減災緊急対策事業費=345億6609万2000円
@29年台風災害からの復旧復興(新規)20億5298万円(土木施設等災害復旧、排水ポンプ車の配備(山城、中丹)ほか)A総合的な治水対策の強化207億3075万円(河川改修は鴨川(京都市)、四宮川(京都市)、弘法川・法川(福知山市)、桂川(亀岡市)、古川(城陽市)、福田川(京丹後市)等、貯留施設整備はいろは呑龍トンネル(京都市、向日市、長岡京市)、豊富用水地(福知山市)等、災害に備える環境整備は岩間・上漆原(福知山市)等)B地震防災対策55億9173万3000円(緊急輸送路沿道建築物の耐震化支援など地震対策の重点実施、警察本部庁舎の整備)C社会福祉法人の災害時対応の推進(新規)5億5000万円(災害時における要配慮者への支援強化にかかる取組を支援)D土砂災害対策30億7051万8000円(仕伏町地区(京都市)、堤谷川(与謝野町)ほか)Eその他18億4235万5000円(土木施設の災害復旧ほか)
▽府民公募型整備事業費=18億2500万円
建設交通部17億円、警察本部1億2500万円
▽鉄道駅舎バリアフリー化設備整備事業費=4500万円
近鉄伊勢田駅のエレベーター設置他(2018〜2020年度)他
▽鉄道駅利便性向上整備事業費=2億2732万3000円
阪急・京福西院駅のエレベーター設置・多機能トイレ他(〜2019年度)、JR西大路駅のエレベーター設置・多機能トイレ他(〜2020年度)
▽JR奈良線複線化・高速化整備事業費=16億5093万4000円
複線化本体事業(鉄道施設設計、線増工事)、複線化に伴う関連工事(玉水駅橋上化、六地蔵駅駅舎改築)
▽地域公共交通網再構築事業費=2070万円
大河原駅、和知駅、山家駅の駅舎内外装の改装等(2017年度〜2018年度)
▽京都舞鶴港「海の京都駅(仮称)」推進事業=1億9800万円
荷役機能の高度化と併せた上屋改装による旅客ターミナルスペースの増及び観光仕分けや食、特産品、体験等によるおもてなし実施のための観光拠点施設の整備(2019年3月完成予定)
▽お茶の京都を支えるお茶産業の新展開=2億6962万円
乗用摘採機に対応するための急傾斜茶園の緩斜面への整備、被覆棚施設整備や茶園管理機械導入支援等
▽京都・かぐや姫観光関連道路整備事業(商工労働観光部・建設交通部)=1億5000万円
周遊環境を改善するため道路改良等を実施
【警察本部】
▽警察本部庁舎建設費=22億1939万7000円
地上6階(S造)、地下2階(SRC造一部RC造)、免震構造、延2万7739・74u。2020年3月に新庁舎完成、2020年度に供用開始
▽交通安全施設整備費=14億3936万円
信号機の新設及び改良、道路標識・道路標示の新設及び改修、主要信号交差点に対する非常用電源装置の整備等