東京都オリンピック・パラリンピック準備局は2018年度、ラグビーワールドカップ2019と東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の会場となる東京スタジアム(味の素スタジアム、調布市)の改修工事に着手する。両大会に備えたバリアフリー化と、大規模国際大会の開催に必要な条件を整えるための競技用照明改修などを柱とし、20年度までの3カ年で施工する。全体事業費に約112億円を見込み、このうち18年度予算案に実施設計費と改修工事費16億4800万円を計上している。
00年に完成した東京スタジアム(調布市西町376ノ3)の規模は鉄骨一部鉄筋コンクリート造地下1階地上5階建て延べ8万6142平方b。約5万人を収容できる観客席を持つ多目的スタジアムで、19年のワールドカップラグビーの会場として、また20年大会のサッカーや近代五種、7人制ラグビーの会場として利用する。
これに合わせ、施設の劣化や老朽化に対応するための最小限の改修を実施するとともに、20年大会のアクセシビリティ・ガイドラインに沿った施設のさらなるバリアフリー化と、国際大会に対応するための施設の機能向上に取り組む。
バリアフリー化では、地下1階〜地上3階、5階などで▽車いす使用者用スペースのサイトライン確保▽同伴者用座席の設置▽付加アメニティー座席の設置▽トイレ改修▽手摺り改修▽点状ブロック設置▽区画された観覧席の設置―などを実施するとともに、エレベーター棟の新設やサイン改修を行う。
大規模な国際大会の開催に伴う機能向上策として、競技用照明をLED化する他、観客席の横方向に広がるリボンビジョンの設置などを実施する考え。
限定的に施設を休館するものの、原則として利用しながら工事を進めていく。設計は日本設計(新宿区)が担当している。
提供:建通新聞社