県土整備部は29日、政府の2017年度補正予算に呼応した総額85億9000万円の2月臨時補正予算案を固めた。流木対策など防災事業を中心に積み上げており、2月定例会を待つことなく来1日招集予定の臨時会に提出する。
同部2月臨時補正案は同日、県議会主要各会派に説明した。
主な内訳は一般公共事業82億9000万円、一般直轄事業3億円。このほか18年度予算を先食いするゼロ国(債務負担行為)に地域高規格道路6カ所と治山事業4地区に11億8000万円を盛り込んだ。
流木対策では昨年7月の九州北部豪雨を教訓に、国交省と林野庁がまとめた「緊急治山対策プロジェクト」を前倒し。渓流沿いの立木を伐採する費用に2億9700万円、鹿の子谷川など20渓流を対象とした透過型砂防堰堤の整備に18億4700万円、玉川など25カ所に「低コスト水位計」を設置する費用に3200万円を充てる。
河川改修は東郷池、由良川など5カ所に6億6600万円、治山は吉田、三谷、俣野ほか5地区の谷止め工などに2億9700万円を補正する。
一般公共の道路・街路事業には53億円を見込んだ。岩美道路、倉吉道路・倉吉関金道路、江府道路の地域高規格道路に17億4000万円、街路は葭津和田町線に4億円。国道・県道の改築は国道482号舂米バイパスの残土処分地、県道東郷湖線のかさ上げ、主要地方道津山智頭八東線の芦津、大呂改良など19カ所に14億円。また、災害防除は県道大滝白水線や国道181号板井原など30数カ所の落石対策に14億円を投入する。
ただ、道路関係予算は国補正案の中身が依然、不明となっており、同部は来1〜2日の国内示を受けてあらためて「個所付け」し、年度末までに執行する。一般公共事業82億9000万円の内訳は次の通り。
▽道路橋りょう事業=47億8300万円(岩美道路、矢矯松原線、津山智頭八東線、境車尾線など)
▽街路事業=5億2500万円(上井羽合線、葭津和田町線)
▽河川事業=7億3100万円(由良川、東郷池、佐陀川、塩見川潮止め堰、洗井川排水機場)
▽砂防事業=19億3800万円(石谷川、大立下谷川、谷田川など20渓流の堰堤、船越2地区、藤津地区など6地区の急傾斜地対策、県内全域の長寿命化計画策定)
▽治山事業=3億1100万円(吉田、三谷、下中谷、俣野、霞の5地区)
日刊建設工業新聞