川崎市は「浜川崎駅周辺地域における土地利用転換検討業務」を324万円で日建設計総合研究所(東京都千代田区)に委託した。「臨海部ビジョン」(素案)で提示した「新産業拠点形成プロジェクト」を推進するために、産業道路と南渡田運河に挟まれた浜川崎駅周辺のエリア(=南渡田地区)約50fを対象に、駅前広場や公園・緑地など土地利用のゾーニングパターンを3〜4案作成し、権利者や関係者などが共通認識を持てるよう支援する。履行期限は3月22日まで。2018年度以降、国の施策や企業の意向、社会情勢を踏まえながら、具体の導入機能について検討していく。
市が昨年11月にまとめた「臨海ビジョン」(素案)では、南渡田地区で産業活動のデジタル化、ネットワーク化など「Society5・0」を先導し、臨海部全体の機能転換をけん引する産業拠点を形成することを打ち出した。
南渡田地区は、都市再生緊急整備地域に指定されている「浜川崎駅周辺地域」の中にあり、現在は、研究所、倉庫、サイエンスパーク、JFE関連施設などが立地している。ただ、地区内では低利用な土地が増えており、機能集約や利用転換が課題となっている。そこで、AIやIoTなどをはじめとする研究開発や社会実装を行う拠点へと転換を図る構想だ。
同地区に導入する具体的な機能や事業手法の検討、拠点整備、関係企業・機関の誘致は協働で進める方針で、第1段階(〜5年)で土地利用を検討し、土地利用計画の策定などを行うとしている。
今回の委託業務では、基盤となる駅前広場、公園緑地などを配置した場合、どの程度の開発延べ面積が確保できるかなど、概略の検討を行い、関係者などとヒアリングを行っていく上での基礎資料とする。関係者としては地区内に土地を所有しているJFEグループをはじめ、JR東日本やJR貨物、その他の事業者などが考えられる。
提供:建通新聞社