宮崎建設通信社
2018/01/26
【宮崎】県立宮崎病院にES事業導入 公募型プロポで告示
県立宮崎病院の再整備に際して宮崎県病院局は、新病院に於ける空調用熱源機器等の設計・施工や開院後の運転管理、維持保全等を一括して行うエネルギーサービス事業(ES事業)を導入する。1月26日に公募型プロポーザル方式で優先交渉権者を選定する同事業を告示。2月1日から7日まで参加表明書を受け付ける。
経年に伴う施設の老朽化への対応や狭隘化の解消、災害対応力の強化、診療機能の向上等を目的に、現在の敷地内に病院を全面改築するほか、一部施設は改修して活用する。基本設計段階の施設規模は、鉄骨造(免震構造)地上8階及び塔屋1階、延床面積4万8139u。施設整備に係る実施設計が日建・コラム設計業務共同企業体で進む。
新病院に導入するES事業では、新病院の空調用熱源機器等の設計・施工や開院後のエネルギー供給、機器の運転管理、維持保全を一体的に行い、これらの対価としてエネルギーサービス料を事業者に支払う。事業期間(予定)は平成49年3月31日まで。建設費の抑制や省エネ化、対象機器の長寿命化、施設管理事務の軽減等を期待する。
ES事業の範囲は、▽ES設備の実施設計及びその関連業務▽ES設備工事の施工及び工事監理業務▽契約期間内におけるES設備の予防保全を含めた設備の運用・維持管理業務▽契約期間内における運用・維持管理業務計画の作成、運用等に関する報告、設備の運用や施設全体のエネルギー使用に関する助言▽ES設備の遠隔監視業務―など。
主な参加資格は、県の建設工事等の入札参加者資格等に関する要綱第7条第4項の規定による名簿に登載された者、または物品の買入れ等に係る入札参加資格、指名基準等に関する要綱第4条第1項の規定による名簿に、業種が「サービス(役務の提供)に関する業務」、営業種目が「その他」、種目が「保守・点検」で登載された者であること。
このほか、病院におけるエネルギーサービス事業で、平成30年1月31日時点に於いて▽病床数300床以上の病院でエネルギー提供開始後1年以上が経過している契約▽エネルギー提供開始後10年以上を経過している契約―のいずれかの契約を1件以上締結し、問題なく履行している実績があることなどを求める。
参加表明書は2月1日から7日までの期間に事務局へ持参または郵送する。技術提案書の提出期限は3月2日。3月16日にプレゼンテーション及びヒアリングを行い、経済性や信頼性等の各要素を総合的に評価した上で、3月19日に最優秀提案1者、優秀提案(次点)1者の選定と結果通知を行う。
プロポーザルの実施要領や要求水準等の関連資料は、病院局のホームページで確認できる。事務局は宮崎県病院局経営管理課整備担当(〒880−8501宮崎市橘通東1丁目9番10号、電話0985−26−7629、FAX0985−26−7341、メールkeieikanri-hp@pref.miyazaki.lg.jp)。
■参加条件や発注区分など整理、民間企業と対話
宮崎県病院局は、県立宮崎病院の再整備事業に関して、民間事業者等との対話を通じて事業の相互理解を図り、民間事業者等が事業に参加しやすい参加条件や発注区分、施工計画等を整理することを目的としたマーケットサウンディングを昨年12月1日から14日にかけて実施した。
対話の参加者は、宮崎県が発注する建設工事(建築一式工事・電気工事・管工事)の入札参加資格認定を受けた者で、平成14年12月以降に一般病床100床以上の病院の新築、増築または改築に係る工事を元請けとして施工・完了した実績がある者。
対話には、建築工事の有資格者である県内2社と県外4社、電気工事の有資格者である県外1社、管工事の有資格者である県外2社が参加(重複あり)。各社と1時間程度、入札参加条件や発注区分、工事費の動向、施工計画、取組意欲等について対話を行った。このほか、県内の設備工事関連団体とも入札参加条件等に関する意見交換を行った。
事業全体のスケジュールは、準備工事と位置付ける仮設工事や立体駐車場建設工事、病院東側の市道改築工事を30年4月中旬に公告し、5月以降に着工する見通し。実施設計の委託期間が30年10月末であることを踏まえ、同年11月〜12月頃に新病院建設工事を公告し、30年度末までに工事請負契約を締結する。
31年度より新病院の建設工事を本格化させ、33年度中頃までに完成させる予定。その間、既存病院の解体設計や付属棟及び研修等の改修設計も進める。33年度末までに新病院を開院し、これに合わせて旧病院の解体工事や既存施設の改修工事に着手。外構・植栽工事等を経て、35年度早期にグランドオープンする。