日本工業経済新聞社(茨城)
2018/01/26
【茨城】ひたちなか市が上坪浄水場整備/新年度に水処理施設発注
ひたちなか市は、新たな上坪浄水場の整備に向け、来年度に水処理施設の建設工事を発注する計画だ。建設地の造成工事は昨年7月に完了。現在は配水池の建設工事に着手している。総事業費120億円の大型事業は、21年度の供用開始を目指して順調に進んでいる。
現在の上坪浄水場は1965年の建設。那珂川から取水した水を浄水し、市の水道水の約7割を供給する市水道事業の基幹施設として重要な役割を担う。しかし、建設から50年が経過し構造物の劣化や施設の老朽化が進行。耐震性能も十分でない。2011年の東日本大震災では大きな被害を受け、長期間の断水につながった。
市は、安全・安心な水道水を安定して市民に供給するため、大規模な地震にも耐えられる「強靭な水道施設」を目指し、既存施設の近傍地に新たな浄水場整備を進めている。
施設概要は浄水能力3万7100立方m/日、貯水量最大1万9300立方m。浄水処理方式は横流式凝集沈澱+急速ろ過方式。
敷地面積は約3・4ha。管理棟、配水池、急速ろ過池、着水井、凝集沈澱池、汚泥処理施設、非常用発電設備、電気室・ポンプ室、粉末活性炭・炭酸ガス注入設備棟、沈砂池兼活性炭接触槽を整備する。また、駐車場は災害時に給水活動エリアとしての活用を想定する。
2015年度から詳細設計の策定に入っており、16年度に鈴縫工業・西野工業JVの施工で建設用地造成工事に着手した。敷地内の掘削や盛土、南側斜面への擁壁設置などを実施し、ことし7月に造成工事が完了。本年度からは熊谷組・ストウ工業JVの施工で配水池建設工事を開始。現在は建設に向けた掘削工事を進めており、19年度までの3カ年をかけて整備する。
18年度には配水池以外の水処理施設全ての工事発注を予定。20年度内の完成を目指す。工事完了後に総合試運転を経て、21年度内に供用開始する計画だ。