成田市は、今月12日と19日に開催した市議会の「新市場整備・輸出拠点化等調査特別委員会」(委員長・大倉富重雄)で、新市場整備及び輸出拠点化事業について審議した。整備手法では、青果棟・水産棟・高機能物流棟を合わせて一体として整備する「合築案」の採用を報告。概算工事費は民設の集客施設棟と関連棟を除き、公設の建設工事、造成工事合わせて総額134億4665万6000円とした。工事費の財源には一般財源のほか国庫補助金12億8000万円、起債121億6660万円を見込む。
主要施設の水産市場棟、青果市場棟、高機能物流棟の3棟のうち高機能物流棟は当初、民設での整備を予定していたが「合築案」の採用に併せて、公設へと変更となった。整備手法は当初、機能ごとに建物を建設する「分棟案」を予定していたが、施設内の温度・衛生環境を効率的に維持・管理するためのコールドチェーンの確保や人・モノの動線などの機能面を総合的に判断し、青果棟・水産棟・高機能物流棟を合わせて一体として整備する「合築案」の採用を決めた。
一方、概算工事費の内訳は水産施設、青果施設などが73億5931万2000円、当初民設で計画していた輸出加工施設、高機能物流拠点施設が45億8437万3000円、造成工事費が15億297万1000円。
このほか、民設エリアには集客施設棟(延べ約5500u)、関連棟(延べ約3000u)を整備する。集客施設棟は新たに機能を追加。海外旅行客等への日本の農水産物・食文化の情報発信機能エリアとする。
同事業は、既存施設の老朽化や輸出拠点を整備するため、卸売市場を移転新設する。移転場所は、天神峰字道場80―1、81―1地先で、千葉県花植木センター跡地。用地は7月に県から取得済み。敷地面積は9万4871u。
整備スケジュールは、年度内に基本・実施設計を完了させ、来年度の早い時期に埋蔵文化財調査に着手。その後、造成工事に着工し、造成完了後に本体に着工、20年度の供用開始を目指す。基本・実施設計は八千代エンジニヤリング・野村アグリプランニング&アドバイザリー・佐藤総合計画JVが担当。本年11月に整備及び運営事業手法検討業務を三菱UFJリサーチ&コンサルティングに委託し、3月30日までの工期で進めている。
概算工事費の内訳は次の通り。
▽公設建設工事費=@水産施設(6772u)23億3308万9000円A青果施設(4923u)14億364万6000円B買荷保管・積込スペース(4922u)7億6015万4000円Cワンストップ輸出拠点施設(610u)1億7392万3000円D管理事務所(418u)1億1918万円E公衆便所(70u)5832万円F受電施設(200u)8640万円G自家発電施設(230u)1億2960万円H給水施設(200u)7560万円I排水処理施設(400u)4億3200万円Jゴミ処理施設(300u)7560万円K太陽光発電設備(1000u)1億7820万円L発泡スチロール処理施設(600u)1億800万円M外構工事(6万u)14億2560万円
▽公設建設工事(当初民設)=@輸出加工施設(809u)2億6997万9000円A高機能物流拠点施設加工・物流等(5789u)22億74万6000円B同施設共用部(3429u)11億4432万5000円C同施設冷蔵・冷凍倉庫(2073u)5億3732万2000円D同施設冷蔵・冷凍設備4億3200万円
▽造成工事(9万2776u)=15億297万1000円