県営発電所3施設の改修・運営について県は23日、固定価格買い取り制度(FIT)の適用を前提に▽小鹿第1発電所▽小鹿第2発電所▽舂米発電所−にPFIとコンセッション方式を導入する方向性を決めた。民間事業者の市場動向を踏まえた上で、今年10月までに実施方針を固め19年度内にそれぞれ施設で契約を締結する。
県有施設に民間事業者の活力を導入検討する県の戦略会議(座長・野川聡副知事)では、FIT制度の適用を条件に3施設のリニューアル改修にPFIと直営、施設運営に直営とコンセッションを組み合わせた4パターンを比較検討。
この結果、各パターンで県の最大収益額や、県が直営で改修中の舂米発電所改修費の合計額を運営権対価の最低制限価格として設定することを確認。
その上で、小鹿第1と第2のリニューアル改修にPFI手法を導入し、運営では両発電所に舂米発電所を合わせコンセッションを導入することが有効と判断した。
県企業局の湊正彦局長は「ウィンウィンの関係が第一。市場動向を考慮した事業者の受け入れ条件が必要」と指摘。募集時にSPC(特定目的会社)の提案内容も併せて評価すべきと提案した。
今後のスケジュールは4月にPFIアドバイザリー業務の業者を選定。10月までに実施方針をまとめて公表する。その後、事業者の選定手続きに入り、19年度内に契約を結ぶ。
また、昨年11月県議会の議論を踏まえ、PFI・コンセッションの導入検討に日野川第1発電所のリニューアル事業も加えることに決めた。
総合事務所敷地内に
西部福祉保健局
一方、県は西部総合事務所福祉保健局(米子市東福原)の整備にPPP手法を導入する。築後50年が経過し老朽化していることから、同事務所の敷地内(同市糀町)に移転新築。整備にあたっては▽PFI手法を採用して敷地内にある旧米子警察署に整備▽敷地内の駐車場に民間ビルを建設させ、テナントとして入居−の2案が示された。
今後、18年度にPPP手法の導入可能性調査を実施し、関係者と調整協議。19年度に事業者を選定して基本・実施設計、建設工事に着手する。
日刊建設工業新聞