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建通新聞社(神奈川)
2018/01/24

【神奈川】川崎市 南部支線沿線発展へまちづくり方針

 川崎市は「南武支線沿線まちづくり方針」案をまとめた。八丁畷駅、川崎新町駅、小田栄駅、浜川崎駅の各駅周辺を対象区域とし、それぞれについて、まちづくりのきっかけとなる重点的な取り組みを設定。具体的には、川崎アプローチ線新設や東海道貨物支線貨客併用化などの検討を進める他、八丁畷駅周辺ゾーンでは社会福祉機能の強化など、小田栄・川崎新町周辺ゾーンでは建物の不燃化や狭隘(きょうあい)道路の改善などに取り組む。また、浜川崎駅周辺ゾーンでは臨海部の新たな戦略拠点として南渡田地区の拠点整備や、臨海部交通ネットワークを支える交通結節機能の強化を推進するとしている。3月に正式に方針を策定。2019年3月には、南武支線沿線まちづくり方針に基づく小田周辺戦略エリア整備プログラムを作成するとともに、密集市街地の改善を効果的に促進させる南部防災センターの土地利用方針を立案する。
 今回まとめた方針案は、目指すべき30年後の将来像を行政、事業者、市民が共有し、JR南武支線沿線地域の魅力の向上と鉄道軸の強化などを協働で実現していくために取りまとめた。今後、改定する都市計画マスタープラン川崎区構想に反映していくことを前提に、対象区域全般のまちづくりの取り組み方針を示すとともに、重点的・戦略的な取り組み箇所を示し、機動的にまちづくりを進める。
 特に、沿線地域の喫緊の課題である密集市街地を抱える小田周辺戦略エリアは「戦略的取組」を設定。不燃化重点対策地区の不燃化推進の取り組みに加えて、避難路や消防活動に利用する地区主要道路などの機能強化とともに、都市計画道路・富士見鶴見駅線の空間確保による延焼遮断帯の形成を目指す。
 実現に向けてはまず、不燃化推進条例と補助制度により、「老朽建築物の除却」や「耐火性能に優れた建築物への建て替え」を面で促進。避難路として有効な「地区主要道路」を線として、沿道建築物の建て替えなどを積極的に促進する。地区内に点在する「老朽空き家」は、地区内の分布状況を把握し、点としての除却や建て替えなどによる課題解消を誘導。また、駅周辺などでは、共同化建て替え事業の創出に向けた民間事業を誘導する。
 避難路や消防活動で重要性が高い「地区主要道路」はミニ延焼遮断帯として幅員6bへの一部拡幅を目指す。避難経路や緊急車両の進入経路の強化に向け、「地区内生活道路」は、補助対象路線の拡大を検討し、補助制度を活用することにより道路拡幅を促進する。
 低未利用な状況にある南武防災センターは、密集市街地の改善を効果的に促進させる土地利用方針を立案。渡田雨水滞水池や消防公舎の空き地などの公共空間は民間活力により、にぎわいの創出や地域交流の活発化につなげる。

提供:建通新聞社