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北陸工業新聞社
2018/01/19

【石川】大雪教訓に市町と協議へ/生活道路・歩道除雪強化で/−県土木部−/統一した出動基準を

 北陸地方を襲った大雪の影響で、石川県内でも道路交通に乱れが生じた。17日に開かれた県議会環境農林建設委員会では複数の委員が国道、県道除雪に比べ、市町の生活道路や歩道除雪が手薄だったと指摘し、除雪対策の強化を求めた。山岸勇土木部長は早急に市町との協議の場を設ける意向を示した。
 県管理道路の車道除雪は223路線、総延長2187・1キロメートル。うち、重点除雪路線(重要幹線)744キロメートルは積雪5センチ以上、その他の路線は積雪10センチ以上で除雪にあたるが、市町は除雪対象路線を絞って対応。加えて出動基準にもばらつきがある。
 稲村建男委員は「県が主導して県下一円での統一した出動基準の検討を進めてほしい」と求めた。山岸部長は県管理道路の出動基準は以前、一律10センチだったが、2001(平成13)年1月の大雪を受け、01年度からは重要幹線の除雪出動を積雪5センチに見直したことを挙げ、「今回の大雪を教訓に市町関係者らが集まり協議する場を設け、新たな対処方法があればすぐにでも対応したい」との考えを示した。一方、歩道除雪は市町が中心となって策定する雪道計画に基づくが、なかなか行き渡っていない状況。山岸部長は「冬場の歩行環境は夏場と比べて悪くなる。歩行者の安全、安心のためにも雪道計画の見直しが必要かどうか、市町との協議の中で検証したい」と述べた。
 車道除雪機械の総量にも触れ、「近年、大きな変化はない。今シーズンは県有190台と、民間業者からの借上げ分を合わせ328台を確保。県有と民有の比率は概ね6対4で、10年前は5対5の割合だった」と説明。今後の対応として「老朽化に伴う県有除雪機械の更新と、一部増強も図りながら必要な台数を確保し、除雪にあたりたい」とした。
 除雪車の出動累計は4113台(16日午前8時時点)で、うち2236台が「どか雪」が降り続いた10日夜から16日朝に出動。除雪を担う建設業者らに対し、山岸部長は「朝の通勤時までに除雪を終えるという時間の制約がある中、真夜中に出動して請け負った区間をきれいに除雪するなど、一日を通じて頑張られた」と感謝を表した。

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