名古屋市住宅都市局は、地下鉄柳橋駅の新設について、民間と一体での再開発を念頭に、可能性を検討する。15日に開いた市会委員会で委員の質問に答えた。局は現在、柳橋周辺での民間開発の可能性を探るため、民間事業者へのヒアリングを実施中。別途、柳橋を含む名駅四丁目地区と名駅南地区を対象に、民間開発が見込まれる区域の調査も行っている。一連の調査結果を踏まえ、2018年度以降、柳橋駅の具体化に向けた検討を進める。
柳橋駅は、地下鉄東山線の建設時、名古屋駅と伏見駅の中間で構想された“幻の駅”。市会ではリニア中央新幹線の具体化をきっかけに、同駅の新設を巡る議論が続いている。市はこれを受け、18年度に調査する考えをこれまでに示している。
局は15日の委員会で、新駅の設置について民間事業者による再開発と一体で検討する姿勢を改めて提示。地域資源を生かし、来訪者の回遊性を向上させる一環として駅設置を考えるとした。
柳橋地区は名古屋駅から徒歩圏にあり、大規模な民間市場があるなど、観光のポテンシャルが高い。一方で老朽化した建物も多く、土地活用の余地が大きい状態となっている。
再開発の実現性を調べるため、局は17年12月、「名駅四丁目地区等まちづくり推進検討業務」を一般競争入札で都市研究所スペーシア(名古屋市中区)に委託。落札金額は198万円だった。
対象となるのは、柳橋周辺を含む名駅四丁目地区と、その南側の名駅南地区。未利用地や低利用地などの状況を整理し、民間主導の大規模開発が見込まれる区域を3カ所程度抽出する。その上で開発効果を予測し、併せて必要な公共投資の事例調査を行う。委託の履行期間は3月20日まで。
提供:建通新聞社