建通新聞社
2018/01/16
【大阪】中之島アゴラ構想 事業費は募金で
大阪府・市、経済団体、大阪大学などで構成する「中之島アゴラ構想推進協議会」は、大阪市内で第3回会合を開き、同構想の実現に向けた施設整備費などを募金により確保する方針を固めた。大阪大学が創立90周年の記念事業と位置付け、1月から募金活動を開始。3〜4年程度を活動期間とし、企業や卒業生を中心に30億円程度を集めたい考えだ。
アゴラ構想は、市立新美術館の隣接市有地約1・2fを文化、芸術、学術、技術の交流拠点にしようというもの。同地を対象とした未来医療国際拠点化とも歩調を合わせながら、2021年度以降のできるだけ早期の供用を目指す。
協議会は17年2月、同構想で中之島4丁目に整備する施設規模や配置計画などのイメージを公表した。これによると、新美術館の西側に隣接する市有地(敷地面積約4500平方b)に▽アート拠点(各種ホール・楽屋・稽古場・ライブラリー・アーカイブ・宿舎など、延べ床面積約4000平方b)▽産学共創クロスイノベーション拠点(基盤研究施設・共同研究室・技術室・展示スペースなど、延べ床面積約1万平方b)▽社学共創拠点(既存の大阪大学中之島センターを活用)―の3拠点を整備する。
イメージ公表当時の概算事業費は60〜80億円以上。事業費は全て募金で賄う方針のため、仮に目標金額としている30億円に達しても大幅に不足することが見込まれる。この点について、大阪大学の小川哲生副学長は「30億円であれば、施設の延べ床面積は1万平方b以下になる。計画にメリハリを付けるとすれば、アート拠点の施設計画を残し、産学共創の部分を縮小したい」と話した。