日本工業経済新聞社(茨城)
2018/01/15
【茨城】水戸市が3カ年実施計画
水戸市は、2018年度から20年度までの実施計画をまとめた。施設整備計画である普通建設事業費は3カ年合計で1200億6790万円を計上。特に新庁舎建設や新清掃工場、東町運動公園新体育館などの4つの大型事業が佳境を迎える18年度は475億5040万円。そのほか、新市民会館建設、第三最終処分場の整備などを盛り込んだ。
実施計画は、将来都市像の「笑顔あふれる安心快適空間、未来に躍動する魁のまち・水戸」の実現へ向けた事業を計上した。
財政計画では、大型事業の推進や地方創生、コンパクトな都市構造構築などへ予算を配分。普通建設事業費は、18年度475億5040万円、19年度377億6750万円、20年度347億5000万円の合計1200億6790万円を計上した。
計上した主な事業費は、4大プロジェクトでは、新庁舎の整備は18年度に30億2700万円。新庁舎はRC・S造地下1階地上8階建て、延べ4万187・62uで現在地に建て替えている。概算事業費は約197億円。16年6月に着工し、18年度は地上躯体工事や仕上・外構工事を進める。工期は18年10月31日まで。その後、段階的に部署の移転を行い、19年1月の全体オープンを目指していく。施工は、建築が大成・株木・昭和・コスモ・菅原JV、電気設備が住友・矢野・東洋JV、機械設備が暁飯島・清和・第一熱学JV、ガス設備が東部ガス梶B設計・監理は久米・柴JV。
新市民会館は、泉町1丁目北地区(約1・4ha)に再開発事業で整備する。概算事業費は約192億円。規模はRC・S・W造4階、地下1階建て、延べ2万2800・3u(建築面積約7145u)。施行者は泉町1丁目北地区市街地再開発組合。実施設計段階から施工者が参画するECI方式を導入することにしており、来月にもプロポーザルを公告し、6月上旬ごろに施工予定者を決定する。オープンは22年9月を予定しており、建築工事等は約27カ月の工期(解体工事は約9カ月)を想定する。
実施計画では、3カ年合計で再開発事業に72億3600万円、新市民会館の整備に91億4700万円を計上。再開発事業では建設工事等に、新市民会館では外部アドバイザーの活用や施設整備として設定した。
新ごみ処理施設整備では、下入野町地内の約56haに、ごみ焼却施設(330t/日)とリサイクルセンター(55t/日)からなる新清掃工場と第三最終処分場を建設する。新清掃工場は日立造船グループが整備している。20年3月までに竣工となる計画。実施計画では、建設工事や環境影響評価事後調査費として18年度と19年度の事業費230億800万円を計上した。
一方、第三最終処分場は、埋立施設の建設工事(S造一部RC造地上1階地下1階建て延べ1万3200・23uなど)を大林組・株木建設・菅原建設・根本工務店・高橋商事JVと仮契約し、17年12月市議会に議案として提出したが、代表者の大林組がリニア中央新幹線建設工事において東京地検特捜部の捜査を受けたため、「契約を履行・継続するに足る信頼性の確保が困難である」と判断し、議案を撤回している。実施計画では、18年度と19年度の建設工事費として59億2700万円を計上した。
敷地周辺には温浴施設などを備える健康増進施設も整備する計画で、17年度は且O上建築事務所(水戸市)が基本設計を策定している。実施計画では、18年度の実施設計費、19年度と20年度の建設工事費を計上した。
東町運動公園新体育館は、RC造一部S造地上3階地下1階建て延べ1万6803・73uで、清水・岡部・東洋JVの施工により工事が進んでいる。設計・監理は椛蛹嚼ン計。工期は18年10月まで。実施計画では18年度事業費として42億600万円を計上した。
そのほかの事業では、学校施設では、見川小学校の改築に3カ年で19億8700万円。19年度の校舎改築着工を予定する。小中学校の長寿命化型大規模改造、中学校への空調設置なども推進する。
治水・雨水対策では、都市下水路・排水路整備に3カ年で32億9000万円、公共下水道(雨水)の整備に3カ年で14億800万円、水道管の整備・更新に3カ年で85億8600万円。
公共下水道(汚水)は3カ年で52億8200万円。市浄化センター設備改築、桜川第1ポンプ場改築なども計画する。
中心市街地の強化では、泉町1丁目北地区第一種市街地再開発、水戸駅前三の丸地区第一種市街地再開発など。赤塚駅周辺地区の街路整備、内原駅南口周辺地区整備(橋上駅舎、自由通路、駅南口広場など)も推進する。