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建通新聞社(中部)
2018/01/15

【愛知】県内の基幹水道管耐震適合率が全国3位

 厚生労働省がまとめた、2016年度の水道事業における耐震化状況の調査結果によると、愛知県内の基幹的な水道管の耐震適合率は59・7%で前年度から1・3ポイント増加した。神奈川県、東京都に続き全国第3位。前年度の第2位から順位を下げた。また、浄水施設の耐震化率は45・2%、配水池の耐震化率は82%となった。いずれも全国平均を大きく上回った。
 基幹的な水道管の耐震適合率の全国平均は38・7%。愛知県の耐震適合率は全国平均を21ポイント上回っている。前年度から1・3ポイント増加したものの、前年度比22・6ポイント増と大幅に増加した東京都に抜かれ、全国第3位となった。第1位は前年度と同様に神奈川県。
 県内の基幹管路の総延長は3729・8`で、このうち耐震適合性のある管の延長は2225・4`。耐震適合性のある管のうち耐震管の延長は1517・2`で、耐震管率は40・7%となっている。
 県内を事業主体別に見ると、江南市の耐震適合率が1・4%(前年度比0・1ポイント増)と最も低い。また、北名古屋水道企業団も9・3%(同0・3ポイント増)と1桁にとどまっている。前年度と比較して最も耐震適合率が上昇したのは東海市で、10・7ポイント増加して56・3%となった。県は、総延長785・8`のうち耐震適合性のある管は692・2`で、適合率は88・1%。前年度から0・3ポイント上昇した。また、県を除く事業主体で最も総延長の大きい名古屋市の耐震適合率は、前年度比0・5ポイント増の75・7%となっている。
 管路は、管自体の耐震性能に加えて、敷設された地盤の性状によって耐震性が大きく左右される。耐震管は、地震の際でも継ぎ目の接合部分が離脱しない構造となっている管のこと。これに対し、耐震適合性のある管は、耐震管に加え、耐震管以外でも管路が敷設された地盤の性状を勘案すれば耐震性があると評価できる管などを含めたもの。
 浄水施設の耐震化率の全国平均は27・9%。愛知県は前年度から0・2ポイント上昇し、45・2%となった。全国平均を17・3ポイント上回り、全国第10位の耐震化率だ。愛知県全体の施設能力は1日当たり383万9179立方b。このうち耐震化済みの能力は173万4598立方bとなっている。
 浄水施設は、震災時でも安定的に浄水処理を行うためには、着水井から浄水池までの処理系統の全てを耐震化する必要があるが、施設停止が必要で改修が難しい場合が多く、相当の期間が必要となる。そこで、浄水場の主要構造物である、沈殿池とろ過池の耐震対策の状況も調査した。愛知県の耐震化率は57・5%で、全国平均の40・8%を上回っている。
 配水池の耐震化率の全国平均は53・3%。愛知県は前年度から3・8ポイント上昇し、82%となった。前年度に引き続き、全国第1位となっている。
 配水池が浄水施設に比べ、耐震化が進んでいるのは、個々の配水池ごとに改修が行いやすいためとみられる。

提供:建通新聞社