川崎市は、等々力陸上競技場(中原区等々力1)の第2期整備に向けて、増改築を基本とした「整備の基本方針」を策定した。既存サイド・バックスタンドの2層部分を生かして3層部分を増築し、さらに1階部分を改築することで、収容人数を3万5000人規模へ拡大する他、ユニバーサルデザインや環境に配慮した施設とする。また、メインスタンドや他の等々力緑地内の施設と合せて、民間活力の導入も検討する方針だ。今後は整備スケジュールなどについて検討し、3月に整備計画を策定。2018年度以降から調査、設計などの取り組みを進める見込みだ。
整備の基本方針は、整備手法や事業費、工事期間、周辺に与える影響、資産マネジメントの取り扱いなどを総合的に評価・検証して策定した。
まず収容可能人数は、Jリーグや国際的な陸上競技大会などが開催できる3万5000人規模。日本陸上競技連盟第1種公認施設として、幅広いスポーツ利用と各種大会が開催できるものとする。観客席は全席を屋根があり背もたれ付きのものとし、快適な観戦環境を確保する。
ユニバーサルデザインの観点からは、競技者、観戦者を問わず、子どもから高齢者、親子連れ、障害者、外国人など、全ての人が使いやすいものとし、円滑な通行動線を確保するとともに、案内サインやセキュリティーを充実させる。木材を活用することで、緑との調和に努めるとともに、周辺環境にも配慮。太陽光や地中熱など再生可能エネルギーの活用、省エネルギー設備の導入などにより、環境負荷の軽減を図る。
Jリーグ開催への影響を最小限に抑えるため、工事は整備エリアを工区分けして段階的に行う予定。全体工期は約25〜37カ月。初期のイニシャルコストは概算で約90億〜100億円を見込む。
増改築工事は市の総合計画第2期実施計画期間(18〜21年度)に実施するため、同実施計画などと調整を図りながら3月に整備計画を策定する。着工時期は未定。調査・設計だけでも2〜3年かかる見通しだ。
提供:建通新聞社