石川県は、金沢大学工学部跡地(金沢市小立野2丁目)への移転新築を目指して現在、基本設計作業を進めている「新石川県立図書館」の内部空間イメージを固めた。
新県立図書館の規模は地上3階建てで、延べ床面積1万9000平方メートル程度。内部中央は開放的な吹抜けの空間とし、日本国内の公共図書館では類を見ない、「円形劇場」のような大閲覧空間を中心として、多様な読書空間を創出する。来館者は多くの書物に囲まれる雰囲気が味わえ、館内を巡る楽しさも体験できる。
このほか、閲覧空間とは別に屋外空間と一体的な利用が可能となる屋内広場、様々な知的活動が行える研修室なども配す。
開架図書数は現県立図書館(同市本多町3丁目)の約3倍にあたる約30万冊(ほか、書庫の収蔵能力数約200万冊)、閲覧座席数は約7倍となる500席程度を確保する。
新県立図書館の機能面については、図書の貸し出しや閲覧機能だけではなく、公文書館機能及び文化交流機能も一体的に備え、多彩な伝統文化などの「石川ならではのコレクション」も揃える計画となっている。
谷本正憲知事は4日に開いた年頭記者会見で「文化立県・石川の「知の殿堂」に相応しい、知的な活気と賑わいにあふれる空間となるよう様々な工夫を凝らす」と述べた。
各フロアの配置計画や建物外観など、基本設計業務は環境デザイン研究所(東京都港区)によって精力的に進められ、来年度は実施設計に移行する。
建物本体工事は2019(平成31)年度中に着工し、3年程度の工期で完成させる。
本体工事費には約100億円(消費税含む)を見込む。
なお、金大工学部跡地では新県立図書館(北側敷地約3・4ヘクタール)のほか、金沢市が金沢美術工芸大学(南側敷地約4・7ヘクタール)の移転整備を計画。加えて、県は同跡地を横断するアクセス道路(延長470メートル、幅員17メートル)を新設整備する。