第4回高知港海岸地震津波対策技術検討会(座長・菅野高弘沿岸技術研究センター審議役)が12月22日に高松市内で開かれ=写真=、種崎(千松公園)の堤防構造形式、種崎(中工区西)の検討方針とタナスカ(東孕)の基本断面について、事務局側の示す内容に対し技術的な助言を得た。
高知港海岸種崎千松公園の堤防整備について、同港の景観・利便性等検討会は構造形式の素案で景観の観点から「盛土式構造案」と「壁式構造案」を組み合わせた6案を選定した。地震津波技術検討会ではこれらの案のうち壁式構造の地中杭の考え方で、地盤や液状化の状況と杭の技術的な工夫の在り方などと、盛り土の高さとの関係で技術的アドバイスを得た。
種崎(中工区西)では、現地工事に着手した隣接する中工区の既存施設に鋼管杭が存在し、これを活用するに当たっての健全性確認後の活用の仕方や設計方針など、アドバイスを得たものと見られる。隣接工区での鋼管杭は撤去より有効活用とした方が全体のコスト縮減となるため、杭の健全性が確認できれば活用する方向で詳細調査を今後、実施する。
タナスカ(東孕)では基本断面案として、これまで鋼管杭と斜め杭形式が検討しているが、技術的な課題として土質が軟弱地盤であるため液状化の可能性を懸念。液状化しないデータを組み込む新たな断面形式や、鋼管杭での新たな耐力設計の計算法など、技術検討委のアドバイスを踏まえた、鋼管杭の技術的な妥当性を確認したものとみられる。
提供:建通新聞社