日本工業経済新聞社(茨城)
2018/01/05
【茨城】水戸市の保健所建設工事9月議会契約目指す
水戸市は、2020年4月の中核市移行に向け、新年度から2カ年で保健所施設を整備する。工事内容は既存保健センター(笠原町993―13)の改修および増築棟の建設。順調ならば18年度当初予算案に建設費を計上し、9月議会での契約承認を目指して工事発注準備を進める。増築と改修はまとめ、建築・電気設備・機械設備の分離発注が有力。整備費は約21億円を見込んでいる。
市では中核市移行に向け、保健衛生行政を総合的に推進する拠点となる新たな保健所の整備を計画している。
これまで行ってきた母子健康や健康増進などの対人保健サービス、休日夜間緊急診療所の運営に加え、新たに移譲される食品衛生や生活衛生などに係る対物保健サービスを総合的に実施する。
RC造3階建て、延べ3189・52uの保健センター既存棟は、1987年竣工で今後の使用も可能であることから改修する。ただ、継続して使用する場合は経年劣化した機械設備や電気設備の改修などの対策を図る必要がある。
増築棟は不足する規模を補うために整備するもので、規模はRC造3階建て、延べ約1900u。既存棟の南側、駐車場部分に建設する。
工期は16カ月程度。他市の事例などを参考に、必要な機能を使いやすいように配置する。
増築棟の1階には休日夜間緊急診療所(内科・小児科・外科・歯科)をはじめ、受付事務室や待合ホール、倉庫などを置く。エレベーターは1基。トイレは2カ所。外部階段も設ける。2・3階は試験検査フロアとし、病理検査や食品細菌検査、ウイルス検査、理化学検査などの試験検査室を配置。
既存棟については、1階に事務室(対人保健サービス)、書類倉庫、健康相談室、電気室、機械室、授乳室などを置く。北側と西側には入り口を新設する。
2階には事務室(対物保健サービス)、臨床検査室、大会議室、備蓄倉庫など、3階には検診室、研修室、調理実習室、小・中会議室、作業室兼仮置き場などを配置する。
外構工事は19年度末ごろに約3カ月の工期で行う見通し。駐車場の減数分は北側の緑地などを整備することで現状の約70台から約90台に拡張。これに伴い、出入口を広げるなどして見通しを良くする。
主な事業費の内訳としては、増築棟の建築工事費が約10億円、既存棟改修工事費が約6億円、備品費が約3億円。
基本・実施設計は鞄立建設設計(本社・東京都千代田区)が担当。
このほか、市では犬・猫収容施設の動物愛護センター整備も計画している。スケジュールとしては、本年度中に市有地の中から建設場所を決定し、順調ならば来年度にも設計作業に着手、19年度に着工する見通しとなっている。