愛媛県は、1981年以前の旧耐震基準で建設された警察署を順次建て替えや耐震改修を行っており、松山東署(松山市勝山町)については現地で建て替える方針を明らかにした。具体的な施設規模や着工時期などは未定で、今後煮詰められることとなるが、現在、2019年度完成で宇和島署の建て替えに取り組んでいるため、松山東署の事業着手は早くて20年度ごろとなるもよう。
松山東署は1969年築で48年が経過し老朽化が進むとともに、耐震診断では「震度6強で倒壊の危険性が高い」とされ、耐震強度が不足している。現施設の規模は鉄筋コンクリート造5階建て延べ4564平方b。
警察署は、地震災害などの災害発生時には被災者の避難誘導や救出救助、緊急交通路の確保、被災者支援、被災地におけるパトロールなど警察署・施設の果たす役割は大きく、近い将来南海トラフを震源とする大規模地震の発生が危惧されることから、早期の耐震化が望まれている。
警察署施設で耐震化されていないのは、松山東署の他、新居浜署(新居浜市久保田町)と久万高原署(久万高原町)の3署。2署の既設規模は、新居浜署が鉄筋コンクリート造3階建て延べ2119平方b。久万高原署が鉄筋コンクリート造3階建て延べ1129平方b。
県警本部では、警察署の耐震化に取り組んでおり、近年では16年度に西条西警察署(西条市壬生川)が移転新築された他、伊予警察署(伊予市下吾川)で耐震改修を実施。17年度には宇和島署(宇和島市並松)の建て替えに着工するとともに、伯方警察署(今治市伯方町)と八幡浜警察署(八幡浜市広瀬)の耐震改修に着手。両署とも18年度に完成する。
宇和島署の建て替えは17年度から着工、19年度で完了する。17年度に鉄骨造平屋830平方bの車庫・霊安室を建設中、18年度に鉄筋コンクリート造5階建て延べ4163平方bの庁舎を建設。19年度に木造2階建て延べ179平方bの宿舎を建設する。設計は宏朋(西条市)が担当した。
提供:建通新聞社