谷本正憲知事は4日、県庁特別会議室で年頭記者会見を開き、新県立図書館建設、東京国立近代美術館工芸館移転整備などの事業促進に意欲を示した。のとじま水族館の回遊水槽改修に関して、日本海側の水族館で初めてプロジェクションマッピングを常時投影し、「のと海遊回廊」としてGW前にオープンさせると明かした。
新たな県立図書館は金大工学部跡地を建設地に充て、現在、基本設計作業を進めている。
谷本知事は新図書館の内部空間イメージが固まったとし、「図書館の中央は開放的な吹抜け空間で、その周りを円形に書架が取り囲む形となる」と説明。来館者は多くの書物に囲まれる雰囲気が味わえ、館内を巡る楽しさも体験できる。また、図書館の中核を成す閲覧室については「日本国内の公共図書館ではこれまで例のない、多くの書物に囲まれた言わば円形劇場のような大閲覧空間とし、それを中心として多様な読書空間を創出したい」と語った。
このほか、閲覧空間とは別に屋外空間と一体的利用が可能な屋内広場、様々な知的活動を行う研修室なども配し、文化立県・石川の「知の殿堂」に相応しい、知的な活気と賑わいにあふれる空間となるよう様々な工夫を凝らす。谷本知事は「来年度には実施設計に移れるよう、各フロアの配置や建物の外観など、基本設計作業を精力的に進めていく」と述べた。
工芸館の移転整備に関しては、今月から旧陸軍第九師団司令部庁舎及び金沢偕行社の解体工事に着手し、建物本体は今年度中の工事着手に向けて準備を進め、19年秋までに完成させる。その後、美術館の開館に必要となる展示室や収蔵庫が適正な環境となるまでの「からし期間」を経て、(2020年の)東京オリンピック・パラリンピック開催期間中のオープンを目指していくとした。