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西日本建設新聞社
2017/12/28

【熊本】掘削から運搬まで管理 IoTクラウドプラットフォームで運用

 菊池川の河道掘削工事現場で、IoTクラウドプラットフォームによる土砂掘削から運搬まで連携した管理システムが九州で初めて導入された。国土交通省菊池川河川事務所発注の「菊池川水系下分田地区河道掘削その他工事」を受注した熊野組が採用。22日に山鹿市鹿本町地内の現場を公開し、同社と国交省、コマツレンタルの技術者ら約30人が最新技術を学んだ。
  バックホウに土砂の掘削を管理するアプリ「ペイロードメータ」を搭載し、掘削重量を計測しながらダンプに積載。ダンプには運搬中の位置や渋滞状況等がリアルタイムで分かるアプリ「TRUCK VISION」を装備する。これらをクラウドプラットフォーム上で運用することで、掘削から運搬管理までの一連の作業を効率化するとともに、ダンプへの積込量を自動で管理し過積載を防ぐ。
 ペイロードメータは、タブレット画面で予め登録したダンプを選択すると、最大積載量までの割合(%)と残重量(キログラム)、累積の現在積載重量が表示され、最大積載量まで達すると音で知らせ、結果を記録する仕組み。
 TRUCK VISIONでは、スマートフォンに▽運搬経路▽速度制限や危険個所のアラート音声通知▽他車の位置、積込・荷卸地点▽積込荷卸の回数▽ダンプ毎のナンバー・最大積載量―などをリアルタイムに表示する。建機オペレーターにはダンプの到着時間が通知されるため、事前に積込準備ができる。
 現場代理人の鍋島保徳氏は「便利すぎるほどで、掘削運搬作業にはかなりお薦め」と絶賛する。これまでの過積載対策は目視と自重計で計測して記録、ダンプの運行管理はハザードマップを事前に作成し運転手に往復時間や積込回数などを聞き取っていた。現場とダンプの運行状況が事務所やタブレットで把握できるようになり、ダンプの運転手にも他車の位置を確認し休憩などの時間調整ができ好評だという。当初、10台のダンプでスタートし、作業状況をみて15台が最適と判断して更なる効率化を図った。
 熊野有郎常務取締役は「新しい取り組みには不安や疑問が先行するが、今後当たり前のように導入される、と前向きに捉えてチャレンジしていきたい。現場でしっかりと結果を残し、この技術のすばらしさを伝えていければ」と話す。

提供:西日本建設新聞社
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