蒲郡市は、「新市民体育館建て替え事業」の建設地に関する調査結果を公表した。現在地の「市民体育センター」と「蒲郡競艇場南東駐車場」で比較した結果、蒲郡競艇場を高く評価する内容になっている。
市議会12月定例会で13日に開かれた文教委員会で報告。調査は現市民体育センター敷地内と蒲郡競艇場の南東駐車場を候補地とし、「利用のしやすさ」「周辺環境」「工事工程」「交通アクセス」など9項目で比較した。
競艇場を高く評価した意見は、▽隣接する競艇場の駐車場も使えるため、十分な駐車台数を確保できる▽更地なので建物配置の自由度が高い▽近隣に住宅がないため、騒音、眺望などの周辺環境への影響がない−などとし、検討会議委員11人のうち、7人が適地と評価した。
一方で、「地震の際は液状化する可能性が高い」や「子どもの安全を考えると競艇場の隣接地は避けてほしい」などの意見も出た。
現市民体育センターに対する意見は、▽敷地が狭くレイアウトに制限が出る▽大型バスの駐車場や転回場所が確保できない▽住宅に隣接しており騒音、眺望、陰地などの問題が生じる▽建設工程が複雑で長期化する▽立体駐車場が必須で建設費が増加−などの意見がある。一方で、▽液状化や津波の心配はなく避難所として適地である▽武道館や弓道場と同一敷地内で利用ができ便利▽市民に慣れ親しんだ場所−などの評価する意見もある。
調査結果では、各候補地でそれぞれ5パターンのレイアウト案が示され、概算の建設費は約38億円〜51億円とし、工期は16カ月〜38カ月と試算した。構造は鉄筋コンクリート造2〜4階を想定。
総括では、競艇場駐車場での工事工程がシンプルで建設期間中の利用者への影響がなく、周辺環境への影響が少ない。周辺道路との接続も良好とし、同敷地近隣に緊急時の第1次緊急輸送道路があることを考慮すると、競艇場駐車場が適すると評価した。
市は、建設地の決定について、「検討中であり、今後、各方面と調整を図り総合的に判断する。2月までに判断したい」と話した。また、2018年度予算案に新体育館の基本設計費を計上する考えを明らかにした。
現在の施設は、1967年に建設。鉄筋コンクリート造2階建て延べ5263平方b。2階には観覧席を設けている。1階部分には、大会議室や第1〜第5会議室、和室、トレーニング室などを配置している。
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建通新聞社