名古屋市住宅都市局は、3月に閉校した旧那古野小学校(名古屋市西区)について、土地・建物の民間活用に向けた方針案をまとめた。2段階での開発を考えており、第1段階では既存建物を保ったリノベーション方式による開発を想定。参画が想定される事業者を対象に行ったヒアリングなどを踏まえ、リノベ活用の期間を15年間と明示した。また、市との事前設計協議に基づき、条件付きで建物の増築なども認める方向だ。21日に開いた学識経験者らとの懇談会で提示した。今後、2017年度内に方針を固め、18年度早期の事業者公募を目指す。
旧那古野小の開発では、まず校舎など既存の施設を生かすリノベーション型を想定。民間事業者に開発提案を募り、土地・建物を現状有姿で貸し付ける。リノベ段階での成果を踏まえ、第2段階の活用方策を練るとした。
活用策の検討に際し、局は応募の可能性がある民間事業者として、不動産関係を中心に27社へアンケートを送付。回答は「ぜひ応募したい」が5社、「条件次第で応募したい」が7社だった。応募に前向きな事業者は、ゲストハウスのような宿泊施設や事務所など複合用途の想定が多かったという。
局はアンケートと、前向きな事業者を対象としたヒアリングの結果を踏まえ方針案に反映。収益性の改善を求める声を受けて、リノベ型での活用期間を15年間とした。当初の契約期間を10年間とした上で、市と事業者双方の協議により5年間の契約更新が可能な仕組みを考えている。
また、既存建物の活用を基本としながら、市との事前設計協議に基づき増築を可能とした。グラウンドでの建物の新築は認めないものの、プールと付属建物の除却・新増築は協議の上で容認。付置義務駐車場も、非常時の避難の妨げにならないことを前提に、グラウンドの一部に整備できる。
事業の完了後は原状回復を原則とするが、構造物や内外装、設備なども事前協議で了承されれば回復は不要となる。
賃料は市による不動産鑑定を基に算出。施設条件も考慮しながら最低価格を提示し、事業者の提案を踏まえて決める。
那古野小の所在地は西区那古野2ノ14ノ1。敷地面積は6974平方b。用途地域は商業地域で、建ぺい率80%、容積率400%となっている。3階建て延べ1095平方bの北校舎と同1911平方bの西校舎、2階建て延べ845平方bの体育館などで構成している。
提供:建通新聞社