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建設経済新聞社
2017/12/22

【京都】烏丸線車両デザイン懇談会 ホーム柵の設置見据え検討

 京都市交通局は21日、地下鉄烏丸線車両の新造にかかるデザイン懇談会の初会合を開催した。
 交通局は、2016年度策定の市バス・地下鉄中期経営方針(2016年度〜2019年度)で「烏丸線全駅への可動式ホーム柵設置を目指し、車両整備計画を2019年度までに策定。2021年度に更新時期を迎える烏丸線車両9編成について、自動列車運転装置(ATO)を搭載した新型車両の更新に着手する」方針を掲げた。
 2017年度運営方針では「2021年度に供用開始から40年となる烏丸線車両9編成が更新時期を迎えることから、全駅への可動式ホーム柵の設置を目指し、ATO搭載の新型車両導入に着手。2017年度はデザイン等について意見聴取するため懇談会を設置するとともに、交通局内部でも仕様等の検討を進め、2018年度までの2年間をかけて基本設計を行う」としていた。
 新型車両の外観や内装デザインについてデザインの専門家らから意見を聴くため、12月21日にデザイン懇談会の初会合を開催。烏丸線車両の現況等を確認した。今後意見聴取等を進め、2018年4月頃にデザインコンセプトをまとめ、同年秋頃に複数のデザインから最終案を決定する予定。
 なお交通局は2017年8月に烏丸線新造車両デザイン検討業務を総合車両製作所に委託した。
 現行ダイヤを維持しながら、新たに可動式ホーム柵を設置するには交通局の車両(20編成)と相互直通運転で烏丸線に乗り入れている近畿日本鉄道の車両(10編成)の全てにATOを搭載する必要があり、また現在乗務員が別々に操作している列車の扉と可動式ホーム柵の扉が連動して開閉する装置を導入する必要がある。
 交通局は今後10年の経営ビジョンを検討する中で、地下鉄事業の車両・設備等更新費用の概算見込みについて、▽地下鉄車両約270億円(新型車両、車両機器更新、検修機器等)▽信号保安設備約200億円(運行管理設備、ATC装置等)▽電力設備約140億円(電力管理設備、変電所設備、電気室設備、エスカレーター等)▽情報通信設備約30億円(自動出改札設備、券売機・精算機等)▽その他約90億円(駅出入口、駅空調、衛生設備)の合計約730億円と試算した。烏丸線の全駅に可動式ホーム柵を設置する場合には新型車両とは別に更に100億円規模の事業費が必要と見込む。