氷見市は21日、第3回市街地グランドデザイン検討委員会(委員長・中川大富山大副学長)を市役所で開き、4カ所の公共空地の利活用について提案を示した。
公共空地は▽旧市民病院跡地(幸町、敷地面積1万8362平方メートル)▽旧市役所跡地(丸の内、2441平方メートル)▽市民会館跡地(本町、4220平方メートル)▽旧朝日丘小学校跡地(朝日丘、1万4620平方メートル)―の4カ所。検討委ではこれまでに、旧市民病院跡地を「文化施設を核としたまちの顔となる新たなシンボル」とするなど、方向性を打ち出しており、今回はより具体的な内容を盛り込んだ。
文化施設は、公民連携により、ホールを核とする公共棟と、カフェなど民間事業者から提案を受ける民間棟からなる「ひみ文化交流プラザ」とする案が示された。公共棟はホールのほか、ギャラリー、練習スタジオ、工房など持つ。ホールの客席数は500席と800席の2案を例示した。公共棟の延べ床面積は4500平方メートル(500席)―5100平方メートル(800席)。民間棟は延べ床面積が2000平方メートル―3000平方メートル。総面積は6500平方メートル―8100平方メートルが想定される。
「まんがをテーマにしたまちなか回遊拠点」となる旧市役所跡地は、「氷見まんが広場」となる。遊具に加え、観光案内や地域の憩いの場の機能をイメージする。
市民会館跡地は、市の歴史を伝えるアーカイブ施設「ひみ発見館」を新設し、隣接する教育文化センターは、改修して図書館や学習スペースを拡張させる。
旧朝日丘小跡地は、民間事業者によるこども園と交流広場「ふれあい交流園」の整備を提案。こども園は社会福祉法人野の草会の「南大町こども園」を移転新築することを視野に入れているとみられる。
検討委には委員30人のうち、24人が出席。冒頭、林正之市長が「9月の第2回委員会の後、地元での3回の意見交換会を経て今回、利活用の案を提示させていただいた」とあいさつした。
文化施設について委員からは、「氷見市には公設民営の市民病院という良い事例がある。今回はPPP方式を取り入れ、費用を抑えてほしい」「ハコありきでなく、民間が参入しやすくなるよう、意見を聞くのが先だ」「音響や照明設備は日進月歩。それらの更新も含めた管理運営費をもっと考慮すべき」などの意見が出された。
JR氷見駅からひみ番屋街までの中心部全体のまちづくりの方針を描く市街地グランドデザインは、4回の検討委を経て今年度末にまとめる。次回は18年3月2日を予定する。支援業務は創建築事務所(高岡市)・エックス都市研究所(東京都豊島区)共同体が担当。