静岡市は、市民文化会館の再整備に向けて、第3回駿府町地区文化・スポーツを核としたまちづくり懇話会(座長・坂井文東京都市大学都市生活学部教授)を18日に静岡市内で開き、具体的な施設規模のケーススタディー結果を報告した。アリーナ面積を7000平方b、4階建てとする最有力案を示した。また、2018年度の基本構想策定作業に関わる予算要求を行う。
懇話会では、運営計画、整備計画を検討。ケーススタディー@〜Bの3案について、施設整備費、維持管理費、年間収入を算定、収支差額を比較した。
@案は、アリーナ5000席、大ホール2000席、中ホール800席、地下1階地上3階建てとし、収支差額は年間1億5000万円を市が補填(ほてん)することとなる。また、アリーナの興業はプロスポーツが中心となり、音楽興業が難しい。
A案は、アリーナを7000席、大ホール2000席、中ホール800席、地下1階地上3階建てとすると、建ぺい率をオーバーしてしまい、市民体育館など既存施設を解体する必要が出る。
B案は、アリーナと大ホール一体型として7000席と中ホール800席、3階建てとしたところ、年間400万円の赤字と試算。現在の文化会館大ホールで行う催事や興業が行えなくなってしまう。
調整案として、アリーナ7000席、大ホール2000席、中ホール800席を確保して、地下1階地上4階建てとする案を示した。ホールの年間収入のマイナスから、全体では9000万円の赤字となっているものの、現時点での最有力案と位置付けている。
今後は、さらに運営収支などを詰めながら、18年1月23日の第4回懇話会では、事業手法の検討、事業性の評価、経済波及効果を検討する。順調なら18年度に基本構想、19年度に基本計画の策定を目指す。
1978年に開館、老朽化が進んでおり、多機能複合型施設「スマート・ベニュー」を軸とした新施設への建て替えを検討している。規模は鉄骨鉄筋コンクリート造地下1階地上4階建て延べ3万2000平方b。所在地は葵区駿府町2ノ90。
提供:建通新聞社
(2017/12/22)
建通新聞社 静岡支社