富山県土木部と富山県建設業協会は19日、富山市の富山工業高校で、建設系学科の高校生に建設業の魅力をPRする「出前講座」を開いた。
建設業の重要性、建設技術者のやりがいなど、入職関連情報を発信し、進路の参考にしてもらうことが目的。土木工学科と建築工学科の1年生各40名が参加した。
まず、同協会が作成した建設業の役割や仕事の内容を紹介するDVDを放映。茂崎忠博県土木部建設技術企画課主幹が、建設業や社会資本の役割、県内の主な構造物の事例を解説した。続いて、同校OBの技術者2名が建設業に就職したきっかけや仕事の内容、やりがい、目標を話した。
タカノ建設の澤田翼氏(入社9年目)は、「祖父が建設会社で働いていたのを見ていて、建築の仕事を志した。建設業のやりがいは、地域のランドマークを造り、それを友達や家族に自慢できること。いろんな方と関われ、楽しく仕事ができる」と述べ、「今後は1級建築士の資格を取れるよう日々勉強し、一人で現場を任せられるようになりたい」と語った。
朝日建設の伊藤洵氏(入社4年目)は就職の経緯について、「本校で学んだ土木工学を生かしたいと思ったし、在学中に富山大橋の工事現場を見て、自分も人の役に立つ物を造りたいと感じた」と説明し、「やりがいは、何もないところから形になる達成感。今後の目標は現場代理人になること」と話した。
地元企業から高田組の堂口隆介専務取締役が、「建設業の仕事は地図やカーナビに残る。これほどやりがいのある仕事はない。現場の所長になればひとつの会社の社長。責任があり大変だが、だからこそやりがいがある。弊社には若い技術者もたくさんいる」、日本海建興の野上俊光建築部長は、「若手の採用では素直に人の意見が聞け、チームワークを大切にできる人、自分で考えて行動できる人、自己革新ができる人を目標としている。10年で現場の所長に育てるため、国家資格取得に必要な費用は会社が負担する。高校で学んだことを、ぜひ社会で役立ててほしい」と話し、それぞれ卒業後には、県内の建設会社に就職するよう呼び掛けた。
生徒からは就職までにすべきことはとの質問があり、「友達とのつながりが大事。苦手な教科も嫌わずに勉強してほしい」、「在学中に取得できる資格はしっかり取るべき」とアドバイス。現場で大切にしていることはとの質問では、「コミュニケーションが重要。自分の意見をしっかり言えること、素直な気持ちが大事」、「第一印象が大切。ハキハキと元気な態度で」と助言した。