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建通新聞社(中部)
2017/12/20

【愛知】名古屋市 厚生院 在り方検討へ懇談会

 名古屋市健康福祉局は、医療保護と救護、特別養護老人ホームの機能を兼ね備えた福祉施設「厚生院」(名古屋市名東区)について、将来の在り方を検討するため、新たに有識者による懇談会を開く。初回の会合を27日に開催する予定だ。さらに、同局は2018年度予算に在り方検討のための調査費などとして1900万円を要求。有識者への意見聴取や、外部への調査委託などを通して、施設に求められる機能や運営手法を模索していく。
 厚生院は、経済的に困窮しているだけでなく、医療的なケアを必要とする人のセーフティーネットと位置付けられる施設。医療保護施設(病院)と救護施設、特養ホームで構成される複合施設となっている。施設規模は鉄骨鉄筋コンクリート造2万1110平方bとなっている。
 市は15年度にまとめた「公の施設等における民間活力活用の総点検を踏まえた取り組み方針について」の中で、今後に果たすべき役割を改めて検討する施設の対象に厚生院を設定。こうした流れを受けて16年度には「名古屋市厚生院の機能等調査業務」を日本経済研究所(東京都千代田区)に委託し、施設の将来需要などに関する調査を行った。
 局は厚生院の将来像を考えるため、有識者で構成する懇談会を設立し、意見を聴取する。初回の懇談会を27日に予定している。懇談会は18年度も継続する見通しだ。
 さらに、18年度予算の編成に向けた要求事項として、局は「厚生院の在り方検討」に1900万円を盛り込んだ。必要な機能と運営手法などを調査するとしている。
 3施設は合築となっており、最も大きな床面積を占めているのは医療保護施設の1万2246平方b。次いで、特養ホームが7031平方b、救護施設が1833平方bとなっている。建設年は1981年。耐震性能は不足しておらず、老朽化による不具合も現在のところない。所在地は名東区瀬古坊2ノ1501。
 三つの異なる機能が連携した施設なだけに、単一の民間法人に運営を委託することは難しいとみられる。
 同様の施設としては困窮者の救護・生活指導を担う「植田寮」(天白区)などがある。植田寮は老朽化に伴う改築も見据え、施設内容と運営形態の見直しを進めている。

提供:建通新聞社