九州北部豪雨を踏まえ国交省と林野庁が今月1日にまとめた「中小河川緊急治山対策プロジェクト」を受け、県土整備部は今後2020年度をめどに流木対策や浸水被害の解消に向けて砂防、河川、治山の各施設整備を進める。
国プロジェクトでは、流木を食い止める効果が高い透過型砂防堰堤を整備することや、浸水被害から家屋や要配慮者利用施設など重要施設を守る河川整備、低コストの水位計設置−など4つの視点から各対策に取り組む。今後3カ年の総事業費は3700億円。
プロジェクトを受け同部が対応する計画は、流木被害対策で直轄を含め県内29渓流を抽出して透過型砂防堰堤を整備するほか、過去に氾濫があり重要施設に浸水被害が想定される7河川(総延長8・3`)を優先整備。山地では流木が発生する恐れのある6地区で治山施設を整備する。また、避難判断の目安になる水位計を48河川に設置する。
同部河川、治山砂防の両課では「今後3カ年で重点的な対策が実施できるよう予算確保に努めたい」と説明。一部は17年度補正をにらみ先行着手する見通し。
同部が国の緊急対策プロジェクトに対応する計画は次の通り。
▽土砂・流木対策29渓流=直轄・日野川水系白水川など4渓流、県・千代川水系石谷川など25渓流
▽再度の氾濫防止対策(浸水被害を解消する河道掘削・堤防整備など)=塩見川、大路川、由良川、北条川、東郷池、小松谷川、堀川(米子市管理)の7河川、8・3`
▽洪水時の水位監視=大路川、私都川、玉川、小松谷川、日野川など48河川、49カ所に水位計設置
▽渓流内からの流木化対策=江府町俣野地区など6地区(国1地区含む)
日刊建設工業新聞