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建通新聞社四国
2017/12/19

【高知】構造形式6案選定 盛土+被覆ブロックなど

 高知港海岸景観・利便性等検討会の第3回会合が14日、高知市内で開かれ、種崎千松公園の堤防整備について、構造形式の素案を取りまとめた。素案には「盛土式構造案」と「壁式構造案」を組み合わせた6案を選定、年内に開かれる地震津波対策技術検討会で施設性能を照査する。
 構造型式の素案で出されたのは、「盛土+被覆ブロック構造」「盛土+セメント系改良構造」「盛土+自立鋼管矢板構造」「盛土+二重矢板構造」「自立鋼管矢板構造」「鋼管杭式擁壁構造」の6案。これらの案に対し、技術検討会の中で性能を照査し、その結果を踏まえ、来年2月に開催予定の次回会合で概略構造断面の平面配置を検討する。
 素案の選定に先立ち、種崎千松公園の利用者に対するアンケートを8月に実施。その結果、▽松林と砂浜の自然景観をできる限り保全し、防潮堤と融和させる▽散歩やキャンプで利用する人に配慮し、防潮堤の嵩上げに伴う圧迫感を軽減させる▽防潮堤整備によって、公園の機能向上や利用促進につなげる視点が大切−などの意見が出された。こうした意見を踏まえ、盛土式に加え壁式の構造タイプを抽出し、素案をまとめた。
 2018年度以降は、津波防波堤と接続する範囲で、防波堤の構造範囲を踏まえた景観・利便性などの方向性を検討する他、壁面・表面デザインの検討、階段やスロープなどの動線機能と日陰・ベンチ・トイレなどの休息機能、眺望機能などの検討を進める予定。
 同委員会は、高知港海岸で進められている地震・津波対策の中で、景観や利便性にも配慮を行う目的で16年11月に設置された。高知工科大学の磯部雅彦学長を座長とした学識経験者などで構成し、特に配慮する区間としている種崎千松公園での堤防整備について、国、県、高知市とともに検討を進めている。

提供:建通新聞社