日本工業経済新聞社(茨城)
2017/12/12
【茨城】東海村が(仮称)歴史と未来の交流館整備で年度内に実施設計へ
東海村は、建設計画を進める「(仮称)歴史と未来の交流館」の整備スケジュールを見直した。工事着手を当初計画の2018年度から19年度に変更する方針で、竣工は20年度末、開館は21年夏ごろとなる見通しだ。住民理解の醸成を優先させるため実施設計着手をストップしていたのがスケジュール変更の主な理由。年度内には実施設計の策定に入り、18年度内にまとめる予定。住民からの意見を集約した交流機能の拡大も検討していく方針だ。
同施設は「歴史と未来の交流」がテーマ。村の歴史や文化財を「伝承、収集、保存、展示」するとともに、未来を担う子どもたちが「観る、触れる、学ぶ、好奇心をはぐくむ」といった体験活動を行うことができる。同時に、さまざまな世代が「憩い、交流し、情報発信」することができる生涯学習の拠点施設として建設するもの。
基本設計段階での施設概要は、規模がRC造一部S造2階建て、延べ2364u。建築面積は2180u。最高高さが10・5m。概算事業費は12億円。建設地は東海消防署西側の村有地(村松字藤ヶ作768−38)で、敷地面積は6669u。北側に駆上り動燃線(幅員16m)、西側に小松原笠内線(幅員16m)、東海高等学校側に村道2300号線(幅員5m)が接道している。
本年度初旬に活イ設計(東京都品川区)が基本設計の策定を終えた。従来は年度内に実施設計の策定、18〜19年度で建設工事、20年度の開館を予定していた。しかし、3月議会で17年度一般会計予算に対する付帯決議として「引き続き住民説明会などを開催し村民の理解を得るよう努めること」「当初予算に計上された実施設計委託料7400万円は施設の管理運営計画を取りまとめ、広く村民の理解を得た上で予算執行すること」との動議が全会一致で可決。これを受けて村は実施設計への着手をストップして説明会などを積極的に開催。住民理解の促進に努めてきた。
新たな整備スケジュールでは、17年度中に実施設計の策定に入り18年度末でまとめる。建設工事は19〜20年度で実施。建設工事と並行して20年度に旧中央公民館の解体工事および駐車場整備工事の実施設計をまとめ、21年度初めに駐車場整備工事を実施。同年夏ごろの開館を目指す。
また、住民からの意見を踏まえた機能拡充の方針としてエントランスや多目的室の拡充、事務スペースの集約化、屋外広場の交流機能の強化などを検討していく。