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日本工業経済新聞社(山梨)
2017/12/15

【山梨】甲府城周辺活性化実施計画を策定

 県と甲府市は、甲府城周辺地域活性化実施計画をまとめた。甲府城南側のお堀沿い約1万2300uを、「広場ゾーン」「歴史・文化ゾーン」「飲食・物販ゾーン」に分けて整備を行う。県と市が公共施設跡地を中心に先行整備を行う。エリア全体の整備完了は、リニア開業予定の2027年を想定している。

 甲府城南側エリアの整備方針は「甲府城の歴史や文化、緑が感じられ、ゆっくり過ごせ、また来たいと思える空間づくり」。エリア全体として、甲府城と調和した緑豊かな空間や江戸風町並みを整備する。
 これらの整備は、活性化実施計画で具体的な導入機能や施設、整備スケジュールをまとめた。民有地については、調整や合意形成を図りながら早期の整備着手を目指す。
 各ゾーンの整備の考え方は次のとおり。
 【広場ゾーン】
 県が、県庁敷地と一体となった開放的な広場を整備する。
 集いの広場は、舞鶴城公園の区域を拡大し、都市公園として整備し、スクランブル交差点から遊亀橋への回遊性を確保する。
 北側エリアは、お城の石垣やお堀を活用し、歴史的な雰囲気を出す整備を主体とし、南側エリアは、スクランブル交差点に面した都会的なにぎわい空間、イベントに 対応できる空間として整備する。本年度から19年度まで調査・設計・工事を行う。
 施設は、北側エリアは、当面は芝生広場などとして整備し、最終的にお堀を復元する。復元は史実に基づき行い、範囲は集いの広場の機能に配慮する。
 【歴史・文化ゾーン】
 甲府市が、小江戸甲府のにぎわいが感じられ、歴史・文化を伝える施設整備を行う。
 旧甲府税務署跡地(約1700u)は交流施設や交流広場とする。跡地は市が18年秋までに購入し、整備する。完成予定は22年度。
 市社会教育センター跡地(約1100u)の遊亀橋付近は当面、観光バスなどの駐車場とする。18年度と19年度の設計・工事を計画する。
 【飲食・物販ゾーン】
 約1300uについて、甲府市と民間が協力して整備する。民間施設を導入できるよう基盤整備を行い、江戸風まちなみを再現する。
 想定施設は、@甲府市の郷土食、特産品などの提供や歴史・文化の紹介A市内のワイナリーや専門店などのアンテナショップB特産品の製造工程や遊具などを紹介するプチミュジアム。
 18〜19年度から検討を開始し、22年度の完成を予定する。
 税務署跡地の南側では、甲府城と中心商業エリアを直結する散策路を整備する。税務署跡地北側のお堀沿いの道路(遊亀橋から西側)は散策路の整備を検討する。散策路の整備や検討は来年度から着手する。