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建設経済新聞社
2017/12/15

【京都】将来道路網の在り方まとめ案 堀川通の整備は喫緊の課題 大津・亀岡方面も整備必要

 京都市は14日、将来を見据えた道路ネットワークの在り方について、とりまとめ案を明らかにした。
 京都市の将来の道路ネットワークについて広域的な視点から多様な意見を聴取することを目的に、学識経験者や国土交通省、京都府、京都市の職員で構成する将来道路ネットワーク研究会を市が設置。昨年12月に初会合、今年6月に第2回会合を開き、検討していた。
 近隣自治体等へのヒアリング等を踏まえ、市は第3回会合に「京都市の将来を見据えた道路ネットワークの在り方について(とりまとめ)」案を示した。
 2019年4月に京都高速道路新十条通の京都市への移管による無料化、今後10年程度の間に西日本高速道路(NEXCO西日本)により名神高速道路と京都高速道路を接続する京都南ジャンクション(仮称)の整備(2019年度着工予定、2028年度完成予定)、新名神高速道路の開通が予定される等、京都を取り巻く道路ネットワークの状況が大きく変わろうとしている中、4つの方面別にとりまとめ案を作成した。
 内容は次の通り。
 《市内中心部》
 南北方向の容量が小さく、とりわけJR東海道本線交差部周辺のボトルネック箇所など、主要渋滞箇所が連続する堀川通において、その傾向が顕著で、堀川通の整備は喫緊の課題である。
 堀川通に加え、川端通や東大路通など南北方向の道路について地域の特性に応じた機能の強化が必要である。
 また近年の観光客の著しい増加や国際会議の開催件数の増加を踏まえ、国際会館や観光地のアクセスも、各エリアの特性を踏まえつつ、将来を見据えた検討が必要である。
 《東部(大津方面)及び西部(亀岡方面)》
 東部(大津方面)は市域を跨ぐ道路として国道1号や名神高速道路等があり、西部(亀岡方面)は国道9号や京都縦貫自動車道があるが、市境周辺で交通渋滞が発生しているだけでなく、積雪や大雨等の異常気象時及び災害時には、一般道路と高速道路が同時通行止めとなり、隣接都市の社会活動に大きな影響を及ぼしている。広域的な観点から、交通集中の緩和や災害時におけるリダンダンシー(代替)の確保等のため、京都市と東部(大津方面)及び西部(亀岡方面)を結ぶ災害に強い道路は整備の必要性が高い。
 《北部山間部》
 多くの路線で大雨による雨量規制区間があるだけでなく、度々災害が発生して通行止めが生じている。「道路のり面維持保全計画」(今年2月策定)に基づき、引き続き計画的な道路のり面対策等の防災対策を実施し、災害に強い道路を構築することが必要である。
 《南部》
 西日本高速道路の京都南ジャンクションの整備や新名神高速道路の開通が予定される等、京都都市圏の南部の道路ネットワークが強化されることから、今後も市内中心部への交通状況の変化を注視していく必要がある。
      ◇
 堀川通(国道1号)を巡っては、京都府、京都市が交通円滑化に向け、横断歩道や車線・交差点の改良、新たなバイパストンネルの可能性などの調査を国に要望。国土交通省は国道1号堀川通で交通円滑化に向けた調査を29年度に行う。
 国道9号を巡っては、京都府が京都・亀岡間Wルート化を今年6月の国への政策提案でも国に要望した。また京都・亀岡間の道路整備は京都市の理解と協力が必要不可欠なことから、今年11月の知事と市長の懇談会で京都・亀岡間のWルート化について意見交換している。