香取市企画政策課は14日、「佐原駅周辺地区複合公共施設基本設計検討委員会」(委員長=腰原幹雄・東京大学生産技術研究所教授)の第3回目を開催し、各フロアの使われ方や外観デザインの修正案について審議した=写真=。外観デザインでは、漏水リスクを避けるため勾配屋根を採用し、4階に勾配屋根を活かした屋外客席となるサワラシアターと多目的ホールに連続するサワラテラスを設置する案を提示。多目的ホール、サワラシアター、サワラテラスの一体的な利用を想定する。
委員会では、市民ワークショップの意見などをもとに、2階の郷土資料の場所や3階の学習室の各面積を拡大し、4階に屋根勾配を活かした屋外客席のサワラシアターを設けるなど外観デザイン等を考慮した変更案が提示された。
各フロアの構成は1階が公民館、佐原通り、観光情報、子育て支援、2階が図書館、3階・4階が公民館。1階には屋内多目的広場、集会室、遊戯室、イベントスペース、メディアスペースなどを設け、施設内を通る(仮称)佐原通りと、施設内を南北に走り小野川へと導く「小野川巡り」との交差付近に観光の起点となる「(仮称)小野川ギャラリー」を配置。
2階の図書館は、1階からの吹き抜けを設け、一般書架、児童書架を配置するとともに古文書や郷土資料の保管と展示場所を確保。
公民館スペースの3階は学習室、研修室、展示・活動テラス、事務室を配置。4階は256席の多目的ホールとホールに連続してサワラテラスと階段状の屋外客席「サワラシアター」を設けた。多目的ホールの観客席は可動席を予定。
外観デザインついては、市民ワークショップやこれまでの検討委員会での意見をもとに、外観コンセプトを「現代の江戸まさりを表現した佐原らしいファサードデザイン」とし、@佐原ゲートA佐原らしい景観づくりB分節し建物を小さく見せる――の3つを掲げた。
屋根は漏水リスクを避けるため、勾配屋根を採用。周辺の建物高さとの調和を図るため、建物ボリュームを分節し、建物を小さく見せる工夫を凝らす。1階には軒を設け、2階から上の外壁には格子を設置し、小野川沿いの伝統的街並みをデザインコードとした和モダンなファサードをつくる。
同施設の建設場所は、JR佐原駅に近接する佐原字竹之下イ134番3ほか地先。建物規模は4階建て延べ約6400u。工事費は約40億円を限度に検討。基本設計はINA新建築研究所(東京都文京区白山3―1―8)が担当。CM業務を佐藤総合計画(東京都墨田区横網2―10―1)が担当している。検討委員会は1月の委員会で基本設計案を提示し、まとめに入る。