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日本工業経済新聞社(山梨)
2017/12/14

【山梨】1次下請けも保険加入限定/県来年度から

 建設業の担い手確保対策について、県議会一般質問(12日)で渡辺淳也議員(自民党誠心会)が県の取り組みを聞いた。答弁で垣下禎裕県土整備部長は、工事の平準化や週休2日制モデル工事の拡大などを紹介し、「明年度からの県発注工事は、1次下請けを社会保険加入事業者に限定する」と述べ、「さらなる働き方を進め、地域社会を支える建設業の担い手確保に積極的に取り組んでいく」と応じた。
 垣下部長は、建設業における働き方改革の一環として「県発注工事で、複数年にわたる工期設定や繰越制度により、特定の時期への工事集中を避けるとともに、建設現場を原則土日を休工とする週休2日制度モデル工事の拡大を図るなど、長時間労働の是正や休日の確保に取り組んでいる」と紹介。
 また、安心して働ける環境を整備するため「社会保険に未加入の事業者に対し、建設業許可や経営事項審査時に加入指導を行っており、明年度からの県発注工事においては、1次下請けを社会保険加入事業者に限定する」と説明した。
 さらに、建設業への就業や定着を図るため「高校生などを対象とした施工管理に関する資格取得のための講習会の開催や、若年労働者を対象とした技能習得への支援を行っている」と県の取り組みに触れた。
 そして、「建設業が魅力ある産業となるよう、県も関係機関と連携を図りながら、さらなる働き方を進め、地域社会を支える建設業の担い手確保に積極的に取り組んでいく」と答弁した。
 渡辺議員は一般質問で、建設業はインフラの整備、維持・補修、減災対策などを通じて県民生活の向上や社会経済活動を支える大きな役割を担い、災害発生時の復旧工事や早期の除雪作業などの中心的な担い手として「県民の安全・安心に大きく貢献している」と、地域建設業の重要性を強調。
 しかし、建設業従事者が減少し、高齢化や若年労働者の減少が顕著であると指摘。「この状況が続けば、社会資本の整備や災害復旧にも支障を来たし、県民の安全・安心な生活を脅かすことになりかねない。未来の建設業を支える人材の確保が急務」と述べ、県の取り組みをただした。