能登町は、旧九十九湾グランドホテル跡(越坂)に計画する金沢大学の海洋教育研究施設について、来年度の着工へ向け実施設計を進めている。今年度は既存ホテル本館の解体工事にも着手する予定で、今後発注準備を本格化させる。19年4月の供用開始を目指す。
計画では、廃館ホテルの老朽化が著しい本館(RC造3階建て延べ2236・52平方メートル)と増築・廊下部分(S造平屋建て延べ130・64平方メートル)を取り壊し、金大の教員や学生らが活用する海洋教育の研究拠点を整備する。建設規模はS造3階建て延べ約1050平方メートル(建築面積350平方メートル程度)。実施設計は土倉建築事務所(金沢市)が担当しており、履行期間は来年3月末まで。
施設には水棲生物の飼育室や遺伝子組み換えの実験室、培養室、教員オフィス、講義室、食堂兼セミナー室、外国人用の研究室などを設ける。金大は来年度、理工学域に「生命理工学類海洋生物資源コース(仮称)」を新設する予定で、この施設を拠点に新技術・産業の創出に貢献する人材育成に取り組む。
施設には県道能都内浦線からのアクセス道路(延長約230メートル、幅員4メートル)を整備し、乗り入れできるようにする。駐車場は普通車用43台、バリアフリー用2台、大型バス用2台の計47台分を確保する予定だ。敷地面積は6839・73平方メートル。
今年度は外構設計(日本海コンサルタント)や測量(日本海測量)、建物地質調査(興信工業)、建物解体実施設計(一級建築士事務所地創)の各業務も実施している。
敷地内に残る別館(RC造3階建て延べ1240・74平方メートル)については、金大が19年度以降に改修し、大型水槽やレクチャーホール、宿泊スペースなどを整備する計画となっている。