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建通新聞社(神奈川)
2017/12/13

【神奈川】素案に基準病床数示す 県保健医療計画改定

 神奈川県の保健医療計画改定素案がまとまった。それによると、病床療養と一般病床の基準病床数(案)は全県で6万1330床。ただし、各地域の意見や厚生労働省との協議が行われている段階にあるため、現時点で考えられる変動幅も示している。床数が最少の場合は5万8310床、最大の場合は6万1846床となる。パブリックコメントや医療審議会への諮問などを経て、2018年3月に計画が改定される見通しだ。
 次期計画の期間は、18年度から23年度まで。25年の在るべき医療提供体制を構築するために長期的な取り組みの方向性を示した「神奈川県地域医療構想」の策定(16年10月)など、最近の動きを踏まえたもの。また、周産期医療体制整備指針が廃止されたことを受け、その整備計画も統合することになった。
 基準病床数は、一定水準以上の医療を確保するための病床整備目標として位置付けられている。改定素案では、高齢化に伴って医療需要が増えることは明らかとした上で、医療需要の急激な増加が見込まれる地域で一定程度の計画的な増床が必要とした。
 病床の整備に当たっては、人材確保が必要であることに留意するとともに、医療技術の進歩や社会システムの進展を踏まえた25年以降の医療需要を見通しながら取り組む必要がある、と指摘している。
 計画の策定後は、中間年に当たる20年に基準病床数を見直すことにしている。ただし、2次保健医療圏のうち横浜については、必要病床数と既存病床数の乖離(かいり)が特に大きく、将来に与える影響が大きいため、毎年度、最新の人口と病床利用率による再計算の結果を見た上で、見直しを検討することとした。
 療養病床・一般病床の基準病床数(案)を見ると、16年度末の基準病床数を上回っているのは、横浜(2万3516床)、川崎北部(4501床)、横須賀・三浦(5488床)、県央(5361床)。このうち、横浜を除く3圏域には変動幅が設定されている。
 この他の病床については、精神病床1万1317床(16年度末現在の既存病床数1万3976床)、感染症病床74床(同74床)、結核病床129床(同166床)。いずれも県全域の床数で、精神病床については、今後変動する可能性があるとしている。
 計画の改定は、県の保健医療計画推進会議などで検討が進められている。素案に対するパブリックコメントは20日から行う予定。医療審議会などを経て正式に決定する。

提供:建通新聞社