名古屋市健康福祉局は、八事斎場の再整備について、改築と改修の2案をまとめた。12日に開いた市会委員会で報告した。改築では事業費約96億円を投じ、火葬炉30基を新設可能とした。改修では既存建物を利用し、事業費約24億円を見込む。民間活力の活用も念頭に、2018年度に再整備基本方針の策定調査を実施する。一方、委員会では施設需要の変化を踏まえて施設の在り方を検討するよう求める意見が出た。
八事斎場の所在地は天白区天白町八事字裏山69。面積1万6134平方bの敷地内に、鉄筋コンクリート造地下1階地上1階建て延べ1863平方bの斎場棟をはじめ、待合棟や動物用の獣し棟、約130台分の駐車場などがある。火葬炉は普通炉44基と大型炉2基を備えている。
同局が今回提示した改築案では、既存の火葬炉を稼働させながら、新たな斎場施設を敷地内に建設するとした。新築後、既設棟は解体撤去する。新施設の規模は鉄筋コンクリート造3階建てで、火葬炉30基を備えることができる。整備に必要な期間は8年以上、事業費は約96億円と見積もった。
改修案では、斎場棟は既存建物を引き続き利用。火葬炉は最大で15基を置くとした。整備期間は4年以上で、事業費約24億円を見込んでいる。
また、民間活用も検討する。市のもう一つの斎場「第二斎場」では、指定管理者制度を導入済み。
同局は18年度に再整備基本方針の策定調査を予定。19年度に再整備計画の策定作業を進める。
今後の検討作業でポイントとなるのが、施設需要の推定だ。同局は市の火葬需要のピークを42年と見込む。15年度に供用を開始した第二斎場の稼働率が平均40%程度で推移する中で、八事斎場に求められる炉数を精査する必要がある。
また同局は、八事斎場に独立した告別・拾骨室がないことを再整備の理由の一つに挙げている。単身世帯が増加する中で、委員会では斎場に求められる施設を精査するよう改めて求めた。
提供:建通新聞社