東京都オリンピック・パラリンピック準備局は12月11日、「大会関係者輸送関連施設基本設計」の委託先を決める希望制指名競争入札手続きを開始した。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の輸送関連施設として、築地市場跡地を候補地にバスや乗用車の管理運営施設(デポ)を整備するための設計を行うとともに、接続する周辺都道3路線7カ所の平面交差点の詳細設計をまとめる。12月26日に開札して設計者を決め、年度内に取りまとめる。
大会期間中の暫定施設として設置するデポには、大会関係者を競技会場や宿泊施設などに安全で円滑に輸送するために利用するバスや乗用車の駐車場を配置する他、ドライバーの食堂、チェックインカウンター、給油施設などを整備する。
建設地は、豊洲市場への移転後の築地市場跡地を想定。敷地規模を約15fに設定し、現場特性や交通状況などを踏まえた施工計画を立案するとともに、多くの工事が同時に行われることを前提とした工程表を作成する。
今回委託する基本設計ではまず、駐車マスや車路、諸施設の配置に関する最適な配置案を固めた上で、高低差処理のための構造物の設置など敷地内の造成設計をまとめる。
舗装については、大会期間中の性能・機能維持を念頭に、施工性や経済性を重視した舗装材や構成を検討し、数量計算書を作成する。
敷地内の排水に関しては、合流式の処理形態や既存の管路、人孔・集水升の活用を前提とし、事務所や洗車施設などからの排水量を考慮して流下能力が不足する場合の対応などを検討し、排水先の人孔や集水升を設定する。
さらに、周辺の都道3路線との平面交差点7カ所について、形状や導流路、隅切り、停止線位置、横断歩道設置の必要性などを検討し、変速車線部分や右左折部分の矢印、停止線など路面表示を含めた設計を行う。
デポの整備は、築地市場の解体工事の進展を踏まえながら19年3月ごろ着手し、20年3月末までに完成させる考えだ。
提供:建通新聞社