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建通新聞社(神奈川)
2017/12/12

【神奈川】横浜市 約30年間で市住1・4万戸再生

 横浜市は1981年以前に建設した35カ所・約1万4000戸の市営住宅を2020〜50年の約30年間で再生する方針だ。大規模住宅などの先行建て替えや、住戸改善と躯体の中性化対策によるさらなる長寿命化で建て替え事業量の平準化を図る。約30年間の建て替え戸数を約1万2000戸(年間平均約400戸)、建て替えに要する総事業費を約2450億円(年間平均約82億円)と想定しており、先行させる住宅として▽野庭(港南区)▽洋光台(磯子区)▽瀬戸橋(金沢区)▽六浦(金沢区)▽瀬ケ崎(金沢区)―などを挙げた。これらを盛る「基本的な考え方」を18年4月に策定した上で、事業化に向けた再生プランを立案する。
 横浜市の市営住宅(直接建設型)は公営住宅2万5911戸、改良住宅1428戸の合計2万7339戸。昭和30〜40年代に建設したものが今後一斉に建て替えや大規模改修の時期を迎えることなどから、再生に関する基本的な考え方を整理して対処する。
 法定耐用年限の70年まで使用することを原則としながらも、一定期間に集中する建て替えを平準化するため、81年以前に建設した住宅35カ所(他に建て替え中の寿町住宅1カ所)を再生の対象に選んだ。現在の戸数の維持を前提に掲げた上で▽エレベーターがなく住戸改善を行っていない大規模住宅、浴室がないなど居住性能の低い住宅を優先して先行建て替え▽既存住宅を高齢者の身体状況に合わせて改修▽日常生活や地域包括ケアの推進に必要な機能を集積―などの観点で取り組んでいく。
 野庭や瀬戸橋などの住宅で建て替えを先行させる一方、直近にエレベーター設置工事を完了させたひかりが丘(旭区)などでは、今後の住戸改善に併せて躯体の中性化対策などを実施し、法定耐用年限を超えた90年程度まで長寿命化を図る。
 他の住宅への集約や住棟の集約による建て替えで生み出した土地を活用し、地域貢献施設の導入や売却・貸し付けなどを行う。施設の多目的化・複合化などの再編整備、建て替え事業や管理運営への民間ノウハウの導入検討なども進める。

提供:建通新聞社