船橋市は本年度、JR南船橋駅南口市有地及び臨海部エリアにおける官民連携調査を日本総合研究所(東京都品川区東五反田2−18−1)へ委託して進めているが、7日、この一環として行った同市有地等に係るサウンディング型市場調査結果の概要を公表した。対話に参加したのは8事業者。民間施設については、市から土地の売却・貸付を受けて、民間事業者が住宅(分譲・賃貸マンション)、商業施設等の整備・維持管理・運営を行う事業スキームをほぼすべての事業者が提案。今回の対話の内容も踏まえて、市は本年度内に官民連携調査の結果を取りまとめ、来年度に実施方針を作成する予定。
対象となる市有地は、若松2−1−4他の4万4997・86u。現行の都市計画は第1種住居地域(容積率200%、建ぺい率60%)だが、駅前というポテンシャルを生かすため、活用の際には商業地域(容積率400%、建ぺい率80%)等に変更する予定。
対話の内容は、@エリアマネジメントに関する取り組み(市有地及び臨海部を含めた地域一体となったまちづくりを実現するための手法や、賑わい創出及び回遊性向上のための取り組み)A市有地を活用した事業の計画(コンセプト、導入施設の用途、規模・土地利用、開発スケジュール、事業スキーム/売却・賃貸、事業期間、PFI・PPPの導入等)Bその他。
エリアマネジメントに関する取り組みでは、事業者、地元商工業者、居住者等を中心とした組織の立ち上げや、市有地内の公園・広場を利用したイベント等の開催による賑わい創出のほか、レンタサイクルやカーシェア等の回遊性向上の取り組みについて提案があった。
また、市有地を活用した事業の計画では、事業コンセプトとして多様な世代の居住・交流、コンパクトシティ、国際交流等の提案があったほか、民間施設については、ほぼすべての事業者が住宅(分譲・賃貸マンション)、商業施設を提案。それ以外にホテルや高齢者向け住宅、病院等の提案もあった。
一方、公共施設については、多くの事業者からイベント等に利用できる広場・公園の提案があったほか、図書館、子育て支援施設、ホール、アリーナ等の提案も。また、回遊ゾーンの導入施設としては、観光案内・情報発信施設、サイクルポート、ランニングステーション、地域交流スペース等の提案があった。
事業スキームに関しては、民間施設は市から土地の売却・貸付を受けて民間事業者が施設の整備・維持管理・運営を行うスキームをほとんどの事業者が提案。一方、公共施設は市が費用を負担して整備するものから、民間事業者が整備し維持管理を担うものまで様々なスキームが提案されたが、そのほとんどが市の負担軽減につながる内容だった。
本年度実施している官民連携調査では、同市有地を核としたコンパクトシティ・プラス・ネットワークを実現するために、臨海部エリアの回遊性創出を中心にエリアマネジメントの検討を行い、市有地活用にあたり、公的負担の最小化を図ることができるような官民連携事業(PFI事業、公的不動産の活用等)の実施計画を立案する。
この調査結果を踏まえて市は、18年度に実施方針を作成するとともに、19年度に事業者募集・選定、20〜22年度に事業者による設計、23年度以降に事業者による工事を予定している。
これまでの検討では、区域外とのアクセス道路の整備とともに、回遊ゾーン(インフォメーションセンター、各種ポート、地産地消レストラン等)、交通広場ゾーン(ロータリー、ペデストリアンデッキ等)、公共ゾーン(都市公園、行政窓口、保育所、集会所、図書室、消防署、集客型公共施設等)、商業ゾーン(クリニック、ドラッグストア、コンビニ、カフェ、オフィス等)、居住ゾーン(集合住宅、ホテル等)、福祉ゾーン(特別養護老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅等)の土地利用を想定している。