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日刊建設工業新聞
2017/12/08

【鳥取】維持管理技術フォーラムで/ICTなど最新技術を学ぶ

 鳥取大学地域安全工学センターは6日、県、県建設技術センターなどと共催してSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)インフラ維持管理技術フォーラムを開いた。 
 倉吉交流プラザ(倉吉市駄経寺町)で開かれた維持管理技術フォーラムには、高校生や官公庁の職員、それに県下の施工会社、コンサル会社の社員など約160人が参加。ICT技術、人工知能などを活用した最先端技術について学んだ。
 講話では、SIPサブプログラムディレクターの若原敏裕氏が、AI(人工知能)を活用したインフラの余寿命予測技術などを紹介。続いて、県土整備部技術企画課の藤井優課長補佐と鳥取大学大学院工学研究科の黒田保教授が「鳥取県の土木インフラ維持管理」について話した。
 SIP技術講演では、富士通第四システム事業本部の沢崎直之氏が「二輪型マルチコプタを使用した橋梁点検支援ロボットシステム」について発表した。二輪型マルチコプタは、人的作業では点検が困難な場所でも近接撮影して損傷の進行を確認できるドローン。撮影した映像を点検作業員が現場で確認し、損傷の進行をタブレットに記録することで点検業務を効率化できると説明した。
 三井住友建設の藤原保久氏は「橋梁点検ロボットカメラの社会実装」について講演。橋梁点検ロボットカメラは、伸長可能なポールに設置したカメラと、カメラを操作するタブレットを使って、安全で効率的に橋梁の点検ができるシステム。隣接橋梁・構造物が近接するなどで、橋梁点検車が使用できない場所でも効果的に活用できると解説した。
 この後、倉吉未来中心アトリウムでドローンやロボットカメラなどの実演があり、参加者は興味深く見学していた。
 実演後、引き続き倉吉交流プラザで技術紹介があり、理化学研究所の木暮繁氏が、レーザーを利用したインフラ計測の最新技術について講演。レーザーを利用することで、トンネル覆工面の内部欠陥を発見できるレーザー打音などの技術を紹介した。レーザー打音は、強いレーザーをトンネル内壁に照射し、コンクリート表面に振動を与え、反射したレーザーに特異な振動成分が混ざっていないかをレーザー計測システムで検出する技術。木暮氏はこのようなレーザー技術について「皆さんからの意見をいただいて、実用化に向けたい」と話していた。
 また、岡山大学大学院環境生命科学研究科の藤井隆史准教授は、高炉スラグ細骨材を使用したコンクリートの耐久性について講演した。

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